50代、今こそ陶芸を始めよう!不器用でも問題なし、土の魅力に触れよう

50代からの新しい趣味探し、何か心惹かれるものは見つかりましたか?「何かを始めたいけど、今さらねぇ…」「若い頃から不器用だったし、センスなんてないから」なんて、ついブレーキをかけてしまっていませんか。分かります、分かりますよ!私もほんの数年前まで、全く同じことを考えていましたから。

 

でも、もしあなたが少しでも「土」というものに興味があるなら、この記事を読んでみてください。結論から言いますね。50代からの趣味に、陶芸はもう、最高なんです!これはただの趣味じゃありません。日々の暮らしを豊かにして、新しい自分に出会える、最高の時間旅行みたいなもの。

 

この記事では、かつては超インドア派で「不器用選手権」があったら優勝候補だった私が、どうして陶芸にどハマりしたのか。そして、これから陶芸を始めたいと思っている50代のあなたに、ぜひ知っておいてほしい魅力と、最初の一歩の踏み出し方を、私の体験を交えながら熱く、そして正直にお話しします。大丈夫、難しい話は一切しません。読み終わる頃には、きっと近所の陶芸教室を検索したくなっているはずですよ!

50代の趣味に陶芸は最高です!私が保証します

 

いきなり大げさな見出しですみません。でも、これは私の心の底からの叫びなんです。仕事や子育てが一段落して、ふと自分の時間が増えた50代。この「ぽっかり空いた時間」をどう使おうか、最初は少し戸惑ったりしませんでしたか?私はまさにそうでした。何かしないと、という焦り。でも、何をしたらいいのか分からないモヤモヤ。そんな時に出会ったのが、陶芸だったんです。

なぜ今、50代に陶芸が刺さるのか?

若い頃の趣味って、どちらかというと「誰かと楽しむ」とか「体を動かす」とか、外向きのものが多かった気がします。それももちろん素晴らしい時間。でも、50代の今、私が求めていたのは、もう少し自分の内側と向き合うような、静かで豊かな時間でした。

 

陶芸って、まさにそれだったんですよ。ひんやりと湿った土の塊を目の前にすると、不思議と心が静かになるんです。仕事のプレッシャーも、家庭のゴタゴタも、なぜかスッと頭から消えていく。ただただ、目の前の土と対話する時間。指先に伝わる土の感触、少しずつ形を変えていく様子に、時間を忘れて没頭してしまう。これって、一種の瞑想に近いのかもしれない、なんて思ったりします。

 

それにね、50代って、良くも悪くも色々な経験を積んできて、自分なりの価値観が固まってきているじゃないですか。だからこそ、自分の手で「無」から「有」を生み出す作業が、とんでもなく刺激的に感じられるんです。自分の思った通りにいかないもどかしさも、偶然できた面白い形も、全部ひっくるめて「私の作品」。この感覚は、他の何にも代えがたい喜びがあります。え?大げさ?いえいえ、本当なんですよ!

「不器用だから」は最大の思い込みだった話

「私、不器用なんで…」これ、陶芸教室の体験に来る人が10人いたら9人は言うセリフです。かくいう私も、体験教室の申し込み電話で先生に言いました。「あのぅ、絵も工作も壊滅的にダメなんですけど、大丈夫でしょうか…」って。先生は電話の向こうで笑って「大丈夫、大丈夫!粘土遊びみたいなもんだから」と言ってくれましたが、内心はドキドキでした。

 

でもね、始めてみて分かったんです。「不器用」と「陶芸の上手い下手」は、まったく別の話。むしろ、ちょっとくらい歪んでいたり、指の跡が残っていたりする方が、断然「味」があって面白いものができるんですよ!

 

考えてみてください。お店に並んでいるような、ツルツルで完璧な形の器が作りたいわけじゃない。それなら買った方が早いですからね。私たちが作りたいのは、世界にたった一つの「私の器」。少しくらい飲み口がガタガタでも、それがまた愛おしい。自分で作った歪んだ湯呑みで飲むお茶の、まあ美味しいこと!この感動は、本当に体験してみないと分からないかもしれません。だから、「不器用だから」という言葉は、今日で封印してください。それは陶芸を楽しまない理由には、絶対になりませんから。

まずは体験から!陶芸教室の選び方とドキドキの初日

 

「よし、ちょっとやってみたくなったかも…」そう思ってくれたなら、嬉しいです!でも、いきなり本格的に始めるのはハードルが高いですよね。まずは「一日体験」や「体験教室」に参加してみるのが絶対におすすめ。そこで、私が実際にどうやって教室を選んで、どんな初日を迎えたのか、ちょっと生々しくお話ししますね。

失敗しない陶芸教室の探し方3つのポイント

陶芸教室って、探してみると意外とたくさんあるんです。じゃあ、どこを選べばいいの?ってなりますよね。私が教室を選ぶときに大事にしたのは、この3つでした。

 

一つ目は「通いやすさ」。当たり前だろ!ってツッコミが聞こえてきそうですが、これ、本当に大事。最初は楽しくても、場所が遠いとだんだん行くのが億劫になっちゃうんです。特に、作った作品はすぐには持ち帰れません。乾燥させて、素焼きして、釉薬をかけて、本焼きして…と、完成までには何度か教室に行く必要があります。だから、自宅や職場から無理なく通える範囲で探すのが鉄則。

 

二つ目は「先生との相性」。これは体験に行ってみないと分かりません。ホームページがおしゃれでも、先生がやたらと専門用語を並べ立てるタイプだったり、逆に放任主義すぎたり…。私が選んだ教室の先生は、いい意味で「おせっかいなおばちゃん」みたいな人(笑)。「あー!そこはもっと土殺ししないと!」「釉薬、そんなにかけたら流れちゃうよ!」なんて言いながら、手取り足取り教えてくれる。この距離感が、私には合っていました。体験の時に、先生がどんな風に教えてくれるか、他の生徒さんとどんな風に話しているか、こっそり観察してみてください。

 

三つ目は「教室の雰囲気」。生徒さんが黙々と作っている静かな教室もあれば、おしゃべりしながら和気あいあいとやっている教室もあります。これはもう、好みの問題。私は後者が良かったので、体験の時に生徒さん同士が楽しそうに話しているのを見て、「ここだ!」と決めました。見学させてもらえる教室も多いので、ぜひ一度、その場の空気を感じてみてください。

私の体験談 持ち物と服装、そして心の準備

さあ、いよいよ体験教室の日。私が持っていったのは、タオルとエプロン。服装は、汚れてもいいように、何年も着ていなかったジーンズとTシャツ。これ、大正解でした。土って、思った以上に飛び散ります!特におしゃれしていく必要は全くありません。爪は短く切っていくのがおすすめです。長いと、土をこねている間に粘土が詰まって大変なことになりますから…。

 

そして一番大事な「心の準備」。それは、「完璧なものを作ろうとしない」こと。最初の体験で作れるものなんて、たかが知れています。だいたい、お茶碗か湯呑み、小皿くらい。私は「映画『ゴースト』みたいに、ろくろを回してシュッとした器を作るぞ!」なんて妄想していましたが、現実はそんなに甘くありませんでした(笑)。

 

とにかく、童心に返って粘土遊びを楽しむくらいの気持ちで行くのが一番。うまくできなくても、それはそれで笑い話のタネになります。むしろ、その方が思い出に残りませんか?

初めての土!ひんやりとした感触と格闘の末に…

教室のドアを開けると、独特の土の匂い。エプロンをつけて席に座ると、先生が「はい、これ」と、どーんと粘土の塊を置いてくれました。初めて触れる陶芸用の土。それは、ひんやりとしていて、ずっしりと重くて、なんだか生き物みたいでした。

 

先生に教わりながら、まずは「菊練り」という、土の空気を抜く作業から。これがもう、難しい!体重をかけて練るんですが、全然言うことを聞いてくれない。数分やっただけで汗だくです。ここですでに「私、向いてないかも…」と心が折れかけました。

 

その後、いよいよ成形。私が挑戦したのは「手びねり」の湯呑み作り。粘土を紐状にして、それをぐるぐると積み上げていく方法です。…が、これがまた、まっすぐにならない!積み上げているうちに、どんどん歪んでいくんです。まるでピサの斜塔。先生が何度も手直ししてくれましたが、それでもやっぱり歪んでる。正直、笑っちゃいました。「私、天才的に不器用だわ…」って。でも、その歪みがなんだか可愛く見えてきて。格闘の末に出来上がったのは、なんとも言えない不格好な湯呑み。でも、紛れもなく、私が初めて自分の手で生み出した「作品」でした。この時の、ちょっとした誇らしさと愛おしさは、今でも忘れられません。

陶芸って一体何ができるの?知っておきたい基本のキ

 

陶芸、と一言で言っても、実は色々な作り方があるんです。いきなり全部覚える必要はありませんが、「こんな方法があるんだな」と知っておくと、体験教室でも「次はあれをやってみたい!」と目標ができて、もっと楽しくなりますよ。ここでは代表的な作り方を、私のつたない経験とともにお話ししますね。

手びねり編 ひも作りとタタラ作りってなんだ?

「手びねり」は、その名の通り、電動ろくろを使わずに、手だけで形を作っていく方法です。初心者さんが最初に挑戦するのは、だいたいこの手びねり。私が体験でやったのもこれですね。

 

代表的なのが「ひも作り」。粘土で細長いひもを作って、それをとぐろを巻くように積み重ねて器の形にしていくんです。まるで、粘土のミミズでカゴを編んでいくような感じ?…例えが下手ですみません。ひもとひものつなぎ目を指や道具でならしていくと、だんだん器の壁になっていく。この作業が地味だけど面白いんです。均一な厚さにするのが意外と難しくて、気づくと一部分だけ分厚かったり、薄くなりすぎて穴が開きそうになったり。でも、手で作った温かみや、少し歪んだ感じが魅力的な作品になります。湯呑みやマグカップ、植木鉢なんかも作れますよ。

 

もう一つが「タタラ作り」。これは、粘土を麺棒みたいなもので板状に伸ばして(この板のことをタタラって言います)、その板を切り貼りして形を作る方法です。お皿や角皿、箸置きなんかを作るのに向いています。クッキーの型抜きみたいに好きな形でくり抜いたりもできるので、デザインの自由度が高いのが楽しいところ。私はこのタタラ作りで、猫の形のお皿を作ったことがあります。もちろん、耳の形が左右でちょっと違ったりして、そこがまた手作り感満載で気に入っています。

電動ろくろ編 あのクルクル回るやつ、実は…

陶芸と聞いて多くの人がイメージするのが、この「電動ろくろ」じゃないでしょうか。ウィーンと回る台の上で、濡れた手で土に触れると、魔法のようにスルスルっと器が立ち上がっていく…あのシーン!私も憧れました。

 

でもね、現実は違います。あれ、とんでもなく難しいです!まず、ろくろの真ん中に土を据える「土殺し」という作業からして、もう大変。土が遠心力で言うことを聞かず、あっちへこっちへ暴れまわるんです。まるで、やんちゃなペットをなだめているかのよう。少しでも指の力加減を間違えると、ぐにゃっ…と無惨な姿に。何度、土の塊を台から引き剥がして投げつけたくなったことか(もちろん、やってませんよ!)。

 

でも、何回も失敗して、先生に助けてもらいながら、ほんの少しだけ土が言うことを聞いてくれた瞬間があるんです。指先に集中して、そーっと土を引き上げていくと、ふわりと形が立ち上がる。この時の感動たるや!もう、脳汁がドバドバ出る感じです(笑)。手びねりとは全く違う、スピード感と緊張感、そして成功した時の達成感。これはもう、病みつきになります。最初は湯呑み一つ作るのも一苦労ですが、慣れてくるとお茶碗やお皿、徳利なんかも作れるようになりますよ。

釉薬(ゆうやく)がけ編 最後の魔法で作品が化ける!

形を作って、乾燥させて、800℃くらいで一度焼く「素焼き」。この段階では、まだ作品は素朴な土の色で、まるでテラコッタの植木鉢みたいな感じです。ここからが、陶芸のクライマックス!「釉薬(ゆうやく)がけ」です。

 

釉薬というのは、ガラス質の液体。これを素焼きした作品にかけることで、ツルツルになったり、色がついたりするんです。この釉薬が、まさに魔法。教室には、色とりどりの釉薬が入ったバケツがずらっと並んでいます。織部(おりべ)の緑、志野(しの)の白、飴釉(あめゆう)の茶色…。かける前の釉薬は、なんだかくすんだ地味な色をしているものが多くて、「え、これで本当にあんな綺麗な色になるの?」と半信半疑になります。

 

作品をドブンと釉薬に浸けたり、柄杓でかけたり。このかけ方一つで、焼き上がりの表情が全然違ってくるから面白い。そして、釉薬をかけた作品を、今度は1200℃以上の高温で「本焼き」します。窯の中で、釉薬が溶けてガラス質に変化し、土と一体になる。数日後、窯から出てきた自分の作品と対面する瞬間は、いつになってもドキドキします。予想通りの色になることもあれば、「え、こんな色に!?」と驚くような化学変化が起きることも。この偶然性こそが、釉薬がけ、そして陶芸の最大の醍醐味かもしれません。地味な粘土の塊が、色鮮やかな「器」に生まれ変わる。この感動を、ぜひ味わってほしいです。

陶芸を始めて変わったこと、得られたもの

 

陶芸は、ただ器を作るだけの趣味じゃありませんでした。私の日常に、そして心の中に、思ってもみなかったような素敵な変化をもたらしてくれたんです。ここでは、私が陶芸を始めて「本当によかった!」と感じていることを、いくつかお話しさせてください。

無心になれる時間、最高のストレス解消法だった

普段の生活って、常に頭の中で何かを考えていませんか?仕事のこと、家族のこと、今晩のおかずのこと…。頭の中はいつも情報でいっぱいで、マルチタスク状態。正直、疲れますよね。

 

でも、陶芸をしている時間は違うんです。土に触れていると、不思議なことに、そういった雑念がどこかへ行ってしまう。目の前の土をどういう形にしようか、指先にどれくらいの力を込めようか。ただそれだけに、全神経が集中する。この「没頭する」感覚が、たまらなく心地いい。まさに「無心」の状態。

 

週に一度、数時間だけでも、そんな時間を持つことで、頭の中がリセットされるような感覚があるんです。教室から帰る頃には、心も体もすっきり。まるで、心のデトックスみたい。日々のストレスやモヤモヤを、土が全部吸い取ってくれるような、そんな気さえします。これは、始めてみないと分からなかった、陶芸の大きな効能でした。

自分で作った器で飲むコーヒーの味は格別すぎる

これはもう、声を大にして言いたい!自分で作った器で食事をすると、いつものごはんが、なんだか数倍美味しく感じられるんです。これは気のせいなんかじゃありません、断じて!

 

初めて作った、あの歪んだ湯呑み。正直、お店で売っているものと比べたら、出来は雲泥の差です。でも、その湯呑みで初めてお茶を飲んだ時の感動。唇に当たる飲み口の、ちょっとざらついた感触。手にしっくりと馴染む、いびつな形。そのすべてが愛おしくて、いつもの何気ないお茶が、最高に贅沢な一杯に感じられました。

 

今では、我が家の食器棚には、私が作った器たちが少しずつ増えてきました。朝のコーヒーを飲むマグカップ、煮物を盛る小鉢、お刺身をのせる平皿…。それらを使うたびに、「ああ、このお皿はタタラで作ったんだったな」「このマグカップはろくろで苦労したっけ」なんて、作った時のことを思い出して、一人でニヤニヤしています。暮らしの中に、自分の手仕事が溶け込んでいく喜び。これは、50代になってから見つけた、新しい幸せの形です。

年齢も職業もバラバラな「土仲間」との出会い

陶芸教室には、本当に色々な人がいます。私と同じくらいの年代の主婦の方もいれば、定年退職されたおじいちゃん、普段はIT企業でバリバリ働いている若い男性、看護師さん、学生さん…。年齢も、職業も、住んでいる場所もバラバラ。普段の生活では、まず出会うことのないような人たちです。

 

でも、教室ではみんな「土仲間」。共通の話題は、もちろん陶芸のこと。「その釉薬、いい色だね!なんていうやつ?」「先生、今日のろくろ、機嫌悪いよー!」なんて、他愛もないおしゃべりをしながら手を動かす。上手くいった作品を褒め合ったり、失敗作を見て大笑いしたり。この時間が、本当に楽しいんです。

 

会社やご近所付き合いとはまた違う、利害関係のない、フラットな人間関係。これが、すごく心地いい。新しい世界が広がって、自分の視野もなんだか広くなったような気がします。一人で黙々と作業に没頭するのもいいけれど、こうして仲間とワイワイやるのも、陶芸の大きな魅力の一つ。新しいコミュニティに属するって、この年齢になるとなかなかないこと。だからこそ、すごく新鮮で、刺激的なんですよね。

これから始めるあなたへ ちょっとしたアドバイスと心構え

 

ここまで読んで、「よし、私もやってみようかな」という気持ちが、少しでも芽生えてくれていたら嬉しいです。最後に、これから陶芸の世界に足を踏み入れるあなたへ、先輩(…なんて言うと偉そうですが)として、ちょっとしたアドバイスと心構えをお伝えさせてください。

うまく作ろうとしないこと それが一番の近道

これ、本当に大事なことなので、もう一度言いますね。「うまく作ろう」とか「綺麗なものを作ろう」とか、そういう気持ちは、一旦ゴミ箱にポイしちゃってください。特に最初は。

 

うまく作ろうとすればするほど、手はこわばり、土は言うことを聞いてくれなくなります。そして、思い通りにいかなくてイライラして、結果的に「やっぱり私には向いてない」なんてことになりかねません。それじゃあ、あまりにもったいない!

 

陶芸は、テストじゃありません。100点満点を目指す必要なんて、どこにもないんです。むしろ、0点みたいな作品の方が、後から見返すと面白かったりするんですよ。「うわー、これ最初に作ったやつだ!ひどい形!」なんて笑えるのも、手作りの醍醐味。肩の力を抜いて、まずは土に触れること自体を楽しんでください。子供の頃の粘土遊びを思い出すような感覚で。その方が、結果的にのびのびとした、あなたらしい素敵な作品が生まれるはずです。

道具は最初から揃えないで!まずは教室のもので十分

新しいことを始めると、つい形から入りたくなりませんか?素敵な道具をずらっと揃えたりして。私もそのタイプなので、気持ちはよーく分かります(笑)。陶芸にも、カンナとか、コテとか、色々な道具があります。カタログを見ていると、どれもこれも欲しくなってしまう。

 

でも、待って!最初は絶対に、教室の道具を借りるだけで十分です。というか、十分すぎます。ほとんどの教室では、基本的な道具はすべて貸してくれます。まずはそれらを使ってみて、「自分にはどんな道具が必要か」「どんな形のコテが使いやすいか」ということが分かってきてから、少しずつ買い足していくのが賢いやり方。

 

それに、実は最高の道具は「自分の手」だったりします。指先で撫でたり、爪で模様をつけたり。まずは自分の手と土との対話を楽しんでみてください。道具沼にハマるのは、もう少し上達してからでも遅くはありませんからね!

失敗作こそ愛おしい?歪んだ湯呑みとの付き合い方

陶芸をやっていると、必ず「失敗作」が生まれます。形が歪んでしまったり、釉薬が思った色にならなかったり、ひどい時には焼いている間に割れてしまったり…。最初は、がっかりするかもしれません。私も、楽しみにしていたお皿が窯の中でパックリ割れていたのを見た時は、さすがにショックでした。

 

でも、最近思うんです。その「失敗」すらも、なんだか愛おしいな、って。完璧じゃないからこそ、手作りの温かみが出る。少し歪んだ湯呑みは、手に持った時に不思議と指がフィットする。釉薬がムラになったお皿は、世界に一枚しかない景色に見える。

 

お店で売っている工業製品にはない、不完全さの魅力。それを受け入れて、楽しむことができるようになるのも、陶芸の面白さの一つです。だから、もし思い通りにいかない作品ができても、落ち込まないでください。「これもまた味だよね!」と笑い飛ばせるようになったら、あなたも立派な陶芸家の仲間入り。その歪んだ器で飲むお茶は、きっと格別な味がしますよ。

まとめ 50代、土に触れて新しい自分を見つけよう

 

 

さて、ここまで50代からの陶芸の魅力について、私の体験を交えながら熱く語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

「不器用だから…」という思い込みは、実は新しい世界への扉を閉ざしてしまっているだけの、もったいないブレーキかもしれません。ひんやりとした土の感触、無心になれる時間、そして自分の手で何かを生み出す喜び。それは、日々の喧騒から少しだけ離れて、自分自身と向き合うための、最高に贅沢な時間です。

 

自分で作った器が、日々の食卓を彩る。その小さな変化が、暮らし全体を豊かにしてくれる。そして、年齢も職業も超えた「土仲間」との出会いが、あなたの世界をさらに広げてくれるかもしれません。

 

50代は、人生の折り返し地点なんて言われますが、私は「新しいスタート地点」だと思っています。これまで頑張ってきた自分へのご褒美に、新しい扉を開いてみませんか?まずは、お近くの陶芸教室の「一日体験」を覗いてみてください。汚れてもいい服を着て、童心に返って土にまみれてみる。きっとそこには、あなたがまだ知らない、新しい自分との出会いが待っていますよ。この記事が、あなたのその一歩を後押しできたなら、これほど嬉しいことはありません。