【陶芸始めたい人へ】陶芸教室と陶芸家、どっちで習う?あなたの人生を変える学び方

「なんだか、無心になれる趣味が欲しいな…」

 

そう思って、ふと「陶芸」というキーワードが頭に浮かんだあなた。すごくよくわかります。土のひんやりとした感触、自分の手で形が生まれていく不思議な感覚、そして窯から出てきた時の、あのドキドキ感!陶芸って、本当に魅力的な世界ですよね。

 

でも、いざ始めようとすると、最初の壁にぶち当たります。「えっと、どこで習えばいいんだろう?近所のカルチャーセンターみたいな陶芸教室?それとも、なんかすごい陶芸家の先生に弟子入りとか…?」

 

これ、めちゃくちゃ重要な分かれ道なんです。正直に言ってしまうと、陶芸教室は「みんなで楽しく陶芸を体験する場所」、そして陶芸家から直接学ぶのは「その作家の世界観と技術を深く探求する道」です。全然、目的が違うんですよ。

 

この記事を読めば、あなたが陶芸に何を求めているのかがハッキリして、あなたにピッタリの学び方が見つかります。せっかく始めるなら、最高のスタートを切りたいじゃないですか。あなたの陶芸ライフが、もっと豊かで、もっと面白くなるための道案内を、私の体験も交えながら全力でお話しさせてください!

あなたに合うのはどっち?陶芸教室と陶芸家から学ぶことの決定的な違い

 

さて、いきなりですが、この問題に白黒つけちゃいましょう。あなたがどちらを選ぶべきか。それは、あなたが「陶芸に何を求めているか」で決まります。もう、これに尽きるんですよ。かっこいい作品を作りたい、とか、プロになりたい、とか、そういうことの前に、もっと根本的な部分の話です。

 

「趣味として、日々の息抜きに楽しみたい」のか、「本気で陶芸と向き合って、自分の表現を追求したい」のか。このどちらかによって、進むべき道は180度変わってきます。まずはそれぞれの特徴を、ざっくりと掴んでみてください。

陶芸教室は「みんなでワイワイ楽しむコミュニティ」

まず、陶芸教室。ここは、いわば「陶芸のテーマパーク」みたいな場所です。手ぶらで行って、エプロンを借りて、先生に「はーい、じゃあまず土をこねてみましょうかー」なんて言われながら、粘土遊びの延長みたいに気軽に始められる。これが最大の魅力ですよね。

 

私も一番最初は、近所の公民館がやっている単発の陶芸教室でした。正直、何を作りたいかなんて全然考えてなくて、「なんか面白そう」くらいの気持ち。周りを見渡せば、定年後のご夫婦、仕事帰りのOLさん、子育てが一段落した主婦の方…本当にいろんな人がいて、みんなで「わー、歪んじゃった!」「先生、助けてー!」なんて言いながら、それはもう和気あいあいとした雰囲気でした。

 

こういう場所のいいところは、技術的なことよりも「土に触れる楽しさ」を最優先で教えてくれること。そして何より、仲間ができることです。一緒に失敗したり、お互いの作品を「その色、いいね!」なんて褒め合ったり。そういう交流そのものが、陶芸を続けるモチベーションになったりするんですよね。趣味として、生活に彩りを加えたい、という人には、もう絶対におすすめです。

陶芸家から学ぶのは「一つの道を深く探求する旅」

一方で、陶芸家、つまりプロの作家さんの工房などで直接学ぶというのは、全く別の世界です。これはもう、「レジャー」ではなく「修行」に近いかもしれない。もちろん、先生の人柄にもよりますけどね。

 

ここでの学びは、単に「お皿の作り方」を教わるだけじゃありません。その先生が、どういう想いで土と向き合い、どういう美意識で形を生み出しているのか。その哲学や生き様ごと、吸収していくようなイメージです。ろくろの技術はもちろん、土の選び方、釉薬の調合、窯の焚き方まで、その作家が長年かけて培ってきた「秘伝のタレ」のレシピを、少しずつ分けてもらうようなもの。…いや、盗む、と言った方が近いかもしれません。

 

だから、もしあなたが「いつか自分の作品で個展を開きたい」とか、「この人の作る、この肌合いの器が作りたいんだ!」という強い憧れや目標があるなら、断然こちらを選ぶべきです。楽な道ではないです。むしろ、地味で、厳しいことの方が多いでしょう。でも、その先には、陶芸教室では決して見ることのできない、深くて、広大な景色が待っています。

まずは自分の「目的」をはっきりさせよう

どうでしょう?少しイメージが湧いてきましたか?
「うーん、どっちも魅力的で迷うな…」
そうですよね。わかります。でも、焦って決める必要は全くありません。

 

まずは、あなた自身の心に聞いてみてください。「なんで、陶芸やってみたいんだっけ?」って。
「仕事のストレスを発散したい」「手作りの食器でご飯を食べたい」「新しい友達が欲しい」
もし答えがこんな感じなら、まずは気軽に陶芸教室の体験に行ってみるのが大正解です。

 

「あの作家さんのような、静かで力強い作品を作れるようになりたい」「一生かけて向き合えるものを見つけたい」「自分の手で、美しいものを生み出したい」

 

もし、こんな熱い想いが少しでもあるなら、憧れの作家さんを探して、その門を叩く準備を始めてみてもいいかもしれません。もちろん、いきなり弟子入りじゃなくても、その作家さんがやっている単発のワークショップに参加してみる、という手もあります。

 

大切なのは、自分の今の気持ちに正直になること。背伸びも、遠慮もいりません。あなたの「やりたい」に一番フィットする場所を選ぶこと。それが、最高の陶芸ライフへの第一歩なんです。

陶芸教室のリアルな魅力 仲間と土に触れる最高の時間

 

さて、ここからは「陶芸教室」の魅力を、もっと具体的に、もっと生々しくお伝えしていきたいと思います。「趣味で始めるなら教室がいいよ」なんて、一言で片付けちゃうのはもったいない!教室には教室の、とんでもなく深い沼と魅力があるんですから。私自身、今でも月に数回は陶芸教室に通っていますが、毎回新しい発見があって、本当に楽しいんですよ。

手ぶらでOK!気軽に始められる安心感

まず、なんと言ってもこれです。この「気軽さ」は正義!
陶芸って、実はめちゃくちゃ道具や設備が必要な趣味なんです。土はもちろん、ろくろ、手びねり台、カンナやコテといった細々した道具、釉薬、そして何より巨大な「窯」。これ、全部自宅に揃えようと思ったら、もう大変なことになります。場所もお金も、とんでもなくかかる。

 

でも、陶芸教室なら、その全てが揃ってるんです。あなたはただ、汚れてもいい服(と、やる気)だけ持って行けばいい。なんならエプロンまで貸してくれたりします。仕事帰りに、買い物ついでに、ふらっと立ち寄って土に触れる。そんなライフスタイルが実現できちゃうんですよ。

 

私が初めて教室に行った時、本当に感動しましたもん。「え、本当に何もいらないんですか?」って何回も聞いちゃいました。先生は笑って「体一つで来てください!」って。このハードルの低さがなかったら、もしかしたら私は陶芸を始めていなかったかもしれない。そう思うと、教室の存在って、本当にありがたいなあって、しみじみ感じます。

いろんな人と出会えるのが、実は一番の宝物かもしれない

技術を学ぶだけが、教室の価値じゃありません。私が思う教室の一番の魅力は、やっぱり「人との出会い」です。これ、本当に宝物ですよ。

 

教室には、本当にいろんな人がいます。私が行っている教室も、20代のカップルから80代のおじいちゃんまで、年齢も職業もバラバラ。普段の生活では絶対に交わることのない人たちが、「陶芸が好き」というたった一つの共通点で集まって、同じ空間で土をこねている。この光景、なんだかすごく良くないですか?

 

休憩時間になると、お互いの作品を見せ合って、「わ、その形面白いね!どうやって作ったの?」「この釉薬、今度使ってみたいなあ」なんて会話が自然に生まれます。自分の作ったつたないお茶碗を、隣の席のおばあちゃんが「味があって素敵よぉ」なんて本気で褒めてくれた日には、もう、嬉しくて泣きそうになりますよ。本当に。

 

時には、陶芸と全然関係ない話で盛り上がることもあります。「あそこのパン屋さん、美味しいわよ」とか、「最近、腰が痛くてねえ…」とか(笑)。そういう、ゆるーい雑談が、また心地いいんです。一人で黙々と作るのもいいけれど、誰かと「ああでもない、こうでもない」と言いながら作る時間って、何にも代えがたい豊かさがある。私はそう信じています。

広く浅く?いやいや、それが世界の入り口なんです

陶芸教室では、基本的にいろんな技法を体験させてくれます。紐状の粘土を積み上げていく「手びねり」、電動ろくろを回して作る「ろくろ引き」、板状にした土(タタラ)を組み立てる「タタラ作り」、他にもいろんな装飾の方法など、まさに陶芸のダイジェスト版。

 

「広く浅くって、中途半端じゃない?」って思う人もいるかもしれません。でも、初心者の段階では、この「広く浅く」がめちゃくちゃ大事なんです。なぜなら、自分がいったい何に「面白い!」と感じるのか、まだ自分でも分かっていないから。

 

私なんて、最初は「陶芸といえば、ろくろでしょ!」って息巻いてました。映画『ゴースト』のあのシーンみたいに、シュイーンってかっこよく回すのを夢見て。でも、実際にやってみたら、まあ、これが全然できない!土は言うことを聞かないし、すぐぐにゃぐにゃになるし、しまいには遠心力で吹っ飛んでいく始末…。正直、心が折れかけました。

 

でも、その次にやった「タタラ作り」が、私には衝撃的だったんです。粘土を均一な厚さに伸ばして、型紙に合わせてカットして、貼り合わせていく。まるで工作みたいで、地味だけど、自分の思った通りの形が確実に作れる。これが、楽しくて楽しくて!「あ、私、こっちの方が向いてるかも…!」って、その時初めて気づいたんです。

 

もし、ろくろ専門の教室に行っていたら、この楽しさを知ることはなかったかもしれない。いろんな技法を「つまみ食い」できるからこそ、自分の「好き」や「得意」が見つかる。陶芸教室は、広大な陶芸の世界への、最高の入り口になってくれるんですよ。

陶芸家(作家)に弟子入り?その覚悟と得られるもの

 

さて、次はもう一つの道、「陶芸家から学ぶ」という選択肢について。これは、陶芸教室とは全く違う、深くて、時には厳しい世界です。もしあなたが「本気で」陶芸と向き合いたいと考えているなら、ぜひ読んでみてください。これは単なる習い事ではなく、人生を賭けた冒険の始まりになるかもしれません。

技術だけじゃない「生き様」を学ぶということ

プロの作家さんの元で学ぶことの最大の価値は、技術を教えてもらうことだけではありません。もちろん、門外不出の釉薬の調合や、名人芸のようなろくろの技術を間近で見られるのは、とてつもない財産です。でも、それ以上に大切なのは、その先生の「生き様」や「哲学」に触れることだと、私は思います。

 

なぜ、先生はこの土を選ぶのか。なぜ、この形にこだわるのか。なぜ、この色を美しいと感じるのか。その一つ一つの選択の裏には、その作家が何十年もかけて築き上げてきた、確固たる美意識と哲学があります。それは、言葉で教えられるものではありません。先生が土を練る時の手の動き、作品を見つめる時の厳しい眼差し、窯出しの瞬間の、ほんの少しだけ緩む口元。そういう、日常の些細な風景の中にこそ、本質が隠されているんです。

 

「技術は見て盗め」なんて、昔ながらの職人の世界みたいに聞こえるかもしれません。でも、これ、本当にそうなんです。先生のやることを、ただひたすらに真似る。掃除の仕方、道具の片付け方、お客さんへの対応の仕方まで。そうやって、先生の「当たり前」を自分の身体に染み込ませていくことで、初めて見えてくる世界がある。それは、単なる「作り方」のノウハウではなく、「作り手としての在り方」そのものを学ぶ、ということなんだと思います。

先生との「相性」がすべてを決める

だからこそ、陶芸家から学ぶ上で、何よりも、何よりも大事なのが、先生との「相性」です。もう、これは声を大にして言いたい。結婚相手を選ぶのと同じくらい、いや、それ以上に真剣に考えた方がいい!

 

まず、その先生の作る作品が、心の底から「好きだ」と思えること。これが大前提です。だって、好きでもない作品の作り方を、何年もかけて学ぶなんて、苦行でしかないじゃないですか。技術だけじゃなく、その作品に宿る「空気感」や「世界観」ごと、愛せるかどうか。これが第一の関門です。
そして、もう一つが、人間としての相性。これはもう、理屈じゃありません。尊敬できるか、この人の言うことなら素直に聞けるか、時には厳しく叱られてもついていきたいと思えるか。こればっかりは、会って話してみないとわからない。

 

だから、もし「この先生に学びたい!」と思う人が見つかったら、まずはその先生の個展に足を運んでみてください。そして、勇気を出して話しかけてみる。作品の感想を伝えて、「いつか先生のような作品が作れるようになりたいんです」と、その熱意をぶつけてみるんです。そこで先生がどんな反応をするか、どんな話をしてくれるか。その時の「空気」を、自分の肌で感じることが、何よりも重要です。ウェブサイトの経歴や、他人の評判なんて、何のあてにもなりません。あなたの「直感」だけを信じてください。

想像以上に地味で過酷?作家への道のりのリアル

憧れの作家に弟子入り!なんて言うと、なんだか華やかな響きがありますよね。でも、その現実は、想像以上に地味で、過酷なことが多いです。これは、ちょっと脅かすわけじゃないんですけど、覚悟しておいた方がいいこと。

 

弟子入りして、いきなり「じゃあ、好きなもの作っていいよ」なんて言われることは、まず、ありません。最初の仕事は、掃除、道具の手入れ、そして、来る日も来る日も土を練る「土練り(つちねり)」です。腕はパンパンになり、腰は痛くなり、爪の間は真っ黒。「私、何やってるんだろう…」って、絶対に思う日が来ます。

 

でも、この地味な作業の一つ一つに、全部意味があるんです。掃除をすれば、工房のどこに何があるか、先生がどんな環境を大切にしているかがわかる。土を練り続ければ、その日の気温や湿度による土の変化を、体で感じ取れるようになる。それは、作品を作る上での、最も基礎的で、最も重要な土台作りなんです。

 

先生によっては、お給料なんて出ないこともザラです。生活のためにアルバイトをしながら、夜中に自分の作品を作る、なんていう生活を送っている若手作家もたくさんいます。経済的にも、体力的にも、精神的にも、決して楽な道ではありません。でも、その苦しさの先にしか、たどり着けない場所がある。本気で「作家」として生きていきたいなら、その覚悟が、あなたにはありますか?と、問われているような気がします。

失敗しない選び方のポイント 具体的にどう動けばいい?

 

ここまで、陶芸教室と陶芸家から学ぶことの違いを熱く語ってきましたが、「じゃあ、具体的にどうやってその一歩を踏み出せばいいの?」と思いますよね。わかります。ここからは、あなたにピッタリの場所を見つけるための、超具体的なアクションプランをお伝えします。これを読めば、もう迷わないはず!

まずは体験教室の「はしご」を全力でおすすめする理由

もし、あなたがまだ陶芸教室に行くか、作家さんの元に行くかさえも決めかねているなら、まずやってほしいこと。それは、「体験教室のはしご」です。一つだけじゃダメですよ、最低でも2〜3ヶ所は行ってみてください。

 

なぜなら、教室によって、本当に雰囲気が全然違うから!
A教室は、先生が手取り足取り、めちゃくちゃ丁寧に教えてくれるけど、生徒同士の会話は少なめ。
B教室は、先生は基本放置プレイ(笑)。でも、生徒さんたちがすごくフレンドリーで、休憩時間はまるでお茶会みたい。
C教室は、若い人が多くて、流れてる音楽もおしゃれ。カフェみたいな雰囲気。

 

どれが良い悪いじゃなくて、あなたが「心地いい」と感じる場所が、あなたにとっての正解なんです。それを知るためには、比較するしかありません。体験料はかかりますが、これは未来への投資だと思ってください。月謝を払って入会した後に「なんか、違ったかも…」ってなる方が、よっぽど時間もお金ももったいないですからね!体験に行く時は、先生の教え方、設備の綺麗さ、他の生徒さんの雰囲気、この3つを重点的にチェックするのがおすすめです。

ネットの情報は半分だけ信じよう 口コミより自分の「直感」

今の時代、スマホで検索すれば、いくらでも陶芸教室の情報や口コミが出てきます。もちろん、それらを参考にするのは大事なことです。でも、絶対に、それだけを鵜呑みにしてはいけません!

 

「星5つの高評価!最高の教室です!」って書いてあっても、あなたにとっては窮屈な場所かもしれない。「先生が厳しすぎる」という口コミも、あなたにとっては「的確な指導」と感じるかもしれない。人の感じ方なんて、本当に千差万別なんです。

 

私が一番大事にしてほしいのは、さっきも言いましたが、あなたの「直感」です。体験教室に行った時の、あの、言葉にできない「空気感」。なんか楽しい、なんか居心地がいい、先生と話しやすい、また来たいな。そういうポジティブな感情が少しでも湧いたなら、そこはあなたにとって良い場所である可能性が高いです。

 

逆に、ウェブサイトの写真はすごくおしゃれで素敵だったのに、行ってみたらなんだか空気がピリピリしてて、質問しづらい雰囲気だった…なんてことも、まあ、あるわけです。そういう時は、どんなに評判が良くても、やめておいた方が無難。あなたの心が「NO」と言っているんですから。最終的に信じるべきは、ネットの評価じゃなく、あなた自身の心の声ですよ。

陶芸家を探すなら展示会へGO!作品と人柄に触れるチャンス

「いつかは作家の先生に…」と考えている人は、日頃からアンテナを張っておくことが重要です。じゃあ、どこでそのアンテナを張るのか。一番いいのは、ギャラリーや百貨店で開かれる「陶芸の展示会」に足を運ぶことです。

 

そこには、たくさんの作家さんの、魂を込めた作品が並んでいます。まずは、理屈抜きで、あなたの心が「キュン!」とする作品を探してみてください。「うわ、この色、好きだな…」「この形、なんだか落ち着くな…」そんな感じでいいんです。

 

そして、もし運良く作家さん本人が在廊していたら、チャンス!勇気を出して、話しかけてみましょう。「弟子はとってますか!?」なんて、いきなり切り出す必要はありませんよ(笑)。まずは、一人のファンとして、「このお皿の、この部分がすごく好きです」とか、「どうやったらこんな質感が出せるんですか?」とか、作品について質問してみるんです。

 

その時の作家さんの反応を見てください。嬉しそうに作品について語ってくれる人、ぶっきらぼうだけど真摯に答えてくれる人、いろんな人がいます。その会話の中で、「あ、この人から学びたいな」という直感が働くかどうか。作品に惚れ、そして、人柄に惚れる。この両方が揃った時が、あなたがその門を叩くべきタイミングなのかもしれません。

まとめ あなたの土との物語を始めよう

 

さて、ここまで陶芸教室と陶芸家から学ぶことの違いについて、私のありったけの想いを込めてお話ししてきました。なんだか、熱くなりすぎて長くなってしまいましたね。ごめんなさい。
要点をまとめると、こういうことです。

 

陶芸教室は、仲間と共に「楽しさ」と「新たな発見」を見つけることができる、出会いと交流の広場。
陶芸家から学ぶのは、師の哲学や生き様ごと受け継ぎ、「本質」を深く探求していく、自己と向き合う修行の道。

 

どちらが上で、どちらが下、なんてことは一切ありません。大切なのは、今のあなたが、どちらの道を歩きたいか、です。日々の生活に潤いが欲しいなら、まずは気軽に教室の扉を開けてみてください。手作りの器で飲むコーヒーは、きっと格別な味がしますよ。もし、あなたの心の中に、表現したい何か、突き詰めたい何かがあるのなら、恐れずに憧れの作家の世界に飛び込んでみるのもいいでしょう。その先に待っているのは、厳しくも、かけがえのない経験のはずです。

 

もしかしたら、最初は教室で楽しみながら、だんだんと「もっと深く知りたい」という欲が出てきて、作家の門を叩くことになるかもしれない。その逆も、また然りです。道は一つじゃありません。
まずは、とにかく土に触れてみてください。ひんやりとして、柔らかくて、どこか懐かしいあの感触を、あなたの両手で感じてみてください。土をこねているうちに、ろくろを回しているうちに、あなたの進むべき道は、きっと、自然と見えてきます。あなたの素晴らしい「土との物語」が、今日、ここから始まることを、心から応援しています。