タタラ作りはいいぞ。粘土をこねて、伸ばして、切って貼るだけ。最高に自由で楽しい陶芸の世界へようこそ!

陶芸、やってみたいですよね。
土をこねて、自分の手で形を作り上げていく…なんて創造的で素敵な時間なんだろうって。

 

でも、いざ始めようとすると「なんか難しそう…」「電動ろくろなんて絶対無理!」って、ちょっと尻込みしちゃいませんか?

 

テレビで見るみたいに、指先ひとつでスーーッと美しい器が立ち上がっていく…なんて、あれはもう達人の領域。初心者がやったら、だいたい粘土がぐにゃあってなって「あばばばば…」ってなるのがオチです。

 

でもね、諦めるのはまだ早い!そんなあなたにこそ、声を大にして言いたいのが「タタラ作り」という技法なんです。

 

なんだか強そうな名前ですけど、やることは至ってシンプル。粘土をクッキー生地みたいに板状に伸ばして、それを切ったり貼ったりして形を作る。ただそれだけ。

 

え、それって陶芸なの?って思うでしょ?そう、これも立派な陶芸なんです!しかも、電動ろくろでは絶対に作れないような、四角いお皿や動物の形の置物、家の形の小物入れだって、自由自在に作れちゃう。

 

まさに、粘土を使った大人の図画工作!
この記事では、そんな最高に楽しくて自由な「タタラ作り」の魅力を、私の失敗談も交えながら(笑)、あますところなくお伝えしていきます。

 

これを読めば、タタラ作りの基本から応用まで全部わかって、「私にもできそう!」「早く粘土に触りたい!」って、うずうずしてくるはず。

 

難しそう、なんていう思い込みは今日でさよなら。さあ、一緒に粘土の板一枚から始まる、無限の可能性の扉を開けてみませんか?

陶芸初心者はまず「タタラ作り」から始めよう!マジで楽しいから!

 

もしあなたが陶芸の世界に足を踏み入れたいなら、絶対に「タタラ作り」から始めるべきです。断言します。

 

なぜかって?それはもう、失敗が少なくて、何より「自由」で、純粋に「作る喜び」をダイレクトに感じられるから!

 

陶芸のイメージって、どうしても電動ろくろが先行しがちですけど、あれは正直、なかなか手強い相手なんですよ。私も最初は憧れましたけどね。でも、タタラ作りを知って、その楽しさと奥深さにどっぷりハマってしまいました。ここでは、まずタタラ作りが一体どんなもので、なぜあなたにピッタリなのか、その理由を熱く語らせてください!

そもそもタタラ作りって一体何なの?粘土の板で工作するイメージです

「タタラ作り」って、言葉だけ聞くと「???」ってなりますよね。

 

「タタラ」っていうのは、粘土を均一な厚さの板状にしたもののこと。この板状の粘土、つまり「タタラ」を組み合わせて作品を作るから、タタラ作りって呼ばれています。

 

語源は諸説あって、製鉄で使う「たたら(踏鞴)」から来ているとか、単に平らなものを指す言葉だとか…まあ、そのへんは専門家に任せましょう(笑)。大事なのは、粘土をスライスして板にする、っていうその発想です。
イメージとしては、まさに料理やお菓子作り。

 

クッキー生地をめん棒で伸ばして、型で抜いて、組み立ててお菓子の家を作る…あの感覚にすごく近いんです。粘土の塊から、いきなり立体を彫り出すわけでもなく、電動ろくろの上で遠心力と戦うわけでもない。

 

平らな粘土の板という、いわば「素材」をまず作って、そこから設計図通りにパーツを切り出し、プラモデルみたいに組み立てていく。だから、完成形がすごくイメージしやすいし、計画的に作業を進めることができるんです。電動ろくろが感覚と熟練の世界なら、タタラ作りはもっとロジカルで、図工的なアプローチ。このとっつきやすさが、たまらない魅力なんですよね。

なぜ初心者にタタラ作りがおすすめなの?失敗が少なく、とにかく自由だから!

じゃあ、なんでそんなに私がタタラ作りを猛プッシュするのか。理由は大きく分けて2つ。「失敗のリスクが低いこと」と「表現の自由度が高いこと」です。

 

まず、失敗のリスクについて。
陶芸初心者が最初にぶち当たる壁、それは「形の崩れ」です。電動ろくろなんて、ちょっと力を入れすぎただけで、さっきまで綺麗な円筒だったものが、見るも無惨なぐにゃぐにゃ物体に成り果てます。あれは本当に心が折れる…。私も体験教室で、隣の人が作った美しい壺を横目に、自分の手元で謎の生命体を生み出してしまった経験があります。ええ、悲しかったですよ。

 

でも、タタラ作りなら、最初に均一な厚さの板を作ってしまいますよね。この板自体が、ある程度の強度と安定感を持っているんです。だから、ちょっとくらい手荒に扱っても(笑)、形が崩れにくい。これ、初心者にとってはものすごい安心感じゃないですか?

 

そして、何より「自由度」!これです。
電動ろくろは基本的に「円」の形しか作れません。丸いお皿、丸いお茶碗、丸い壺…。もちろん、それはそれで美しいんですけど、世の中の器は丸いものだけじゃないですよね?

 

四角いお皿が欲しいな、と思った時。タタラなら、板を四角く切って、四隅をくいっと持ち上げるだけで、はい、完成。簡単すぎません?

 

マグカップだって、長方形の板をくるっと丸めて、取っ手をつければ出来上がり。家の形の置物?壁と屋根のパーツを切り出してくっつければいい。もう、発想次第で何でも作れちゃうんです。
この「頭に思い描いた形を、わりとそのまま実現できる」っていうのが、タタラ作りの最大の強みであり、楽しさの源泉なんです。作る前からワクワクが止まらなくなりますよ!

タタラ作りの具体的な手順を大公開!これを見ればあなたも作れるようになる

 

「タタラ作りが楽しそうなのはわかったけど、実際どうやって作るの?」
うんうん、そうですよね。ここからは、具体的な手順をステップバイステップで、私の体験談を交えながら詳しく解説していきます。

 

専門用語も出てきますけど、難しく考えなくて大丈夫。「ふーん、そんな感じなんだ」くらいのリラックスした気持ちで読んでみてください。
これを読めば、あなたも頭の中で作品を作るシミュレーションができるようになりますよ!

STEP1 粘土の準備と菊練り 地味だけど一番大事な工程

さあ、いよいよ制作開始!…の前に、避けては通れない儀式があります。それが「菊練り(きくねり)」。

 

これは、粘土の塊を練って、中の空気を抜きながら、硬さを均一にする作業です。
なんでこんな地味なことをやるかって?粘土の中に空気が残っていると、窯で焼いたときに、その空気が膨張して…パーン!と作品が木っ端微塵に爆発してしまうことがあるからです。怖い!隣の人の作品まで巻き込んで大惨事、なんてことになったら目も当てられない。

 

だから、この菊練りは本当に、本当に大事な工程なんです。
練り上げていくと、粘土の表面に菊の花びらみたいなシワが寄ってくるから「菊練り」。
…なんて言うのは簡単なんですけど、これがまあ、最初は全然できない!
私も初めてやったときは、ただ粘土をぐちゃぐちゃこね回してるだけの人でした。「あれ?菊はどこ…?」みたいな。先生に「うーん、これは…芋練りだね!」って言われた日のことは忘れません(笑)。

 

でも、大丈夫。何度もやっているうちに、だんだんコツが掴めてきます。体重をかけて、リズミカルに、粘土を回しながら押し込む感じ。無心になって土と対話する、なんだか瞑想みたいな時間で、私は結構好きです。
まずはこの「土殺し」とも呼ばれる工程で、粘土としっかり仲良くなることから始めましょう。

STEP2 タタラ板を作る!均一な厚さが命です

菊練りで粘土の準備ができたら、いよいよ主役の「タタラ」を作っていきます。粘土の塊を、均一な厚さの板に伸ばしていく作業ですね。

 

ここで登場するのが「タタラ板」という、同じ厚さの木の板が2本1組になった便利な道具。これを粘土の両脇に置いて、その板の高さをガイドにしながら、めん棒(のし棒)で粘土を伸ばしていくんです。

 

これさえあれば、誰がやっても絶対に均一な厚さの板が作れる!文明の利器って素晴らしい!
まず、練った粘土を手である程度平らに叩き潰します。パン生地をこねるみたいに、バンバン叩いてOK。ストレス解消にもなりますよ(笑)。

 

ある程度平らになったら、タタラ板を両脇にセット。そして、のし棒でコロコローっと伸ばしていきます。この時、一方向にだけ伸ばすんじゃなくて、粘土を90度回転させながら、いろんな方向から均等に伸ばしていくのがコツ。

 

そうしないと、粘土の繊維(?)みたいなものの向きが偏って、後で歪んだり反ったりする原因になるんですって。奥が深いですよね。
厚みは、作りたいものによって変えます。小さなお皿なら5mmくらい、大きなお皿やマグカップなら7〜8mmくらいが目安かな。薄すぎると強度がなくて割れやすいし、厚すぎると野暮ったくて重い作品になっちゃう。このへんのさじ加減も、経験を積むとだんだんわかってきます。さあ、綺麗な粘土の板ができました!これがあなたの作品のキャンバスです。

STEP3 成形!いよいよ一番楽しい時間だ!

綺麗なタタラ(粘土の板)ができたら、いよいよ形を作っていく、最高にクリエイティブな時間です!待ってました!作り方は無限大ですが、大きく分けると「型を使う方法」と「フリーハンドで作る方法」があります。

 

例えば、お皿を作りたいなら、一番簡単なのはタタラを好きな形(丸とか四角とか)に切り抜いて、その縁を指で少しだけつまんで立ち上げる方法。これだけで、味のある素敵なお皿になります。もう少しカチッとした形にしたいなら、石膏型を使います。お椀型の石膏型に、タタラをそっと押し当てて形を作る。これなら同じ形のものをいくつか作ることもできますね。

 

箱やマグカップのような立体的なものを作りたい場合は、パーツを切り出して組み立てていきます。
あらかじめ厚紙なんかで型紙を作っておくと便利ですよ。マグカップなら、本体になる長方形のパーツと、底になる円形のパーツ。家の小物入れなら、壁4枚と屋根2枚と床1枚…みたいに。

 

パーツを切り出したら、いよいよ接着です。ここで絶対に欠かせないのが「ドベ」と呼ばれる、粘土を水で溶いたドロドロの接着剤。接着したい面に、クシみたいな道具でギザギザの傷をつけて(これを「カキベラでかく」とか言います)、そこにドベをたっぷり塗って、パーツ同士をむぎゅーっと圧着!

 

この「傷をつけてドベを塗る」という工程をサボると、乾燥したり焼いたりしたときに、接着面がパカッと剥がれてしまいます。ええ、私はやりましたよ。取っ手のないマグカップ(の残骸)を生み出したことがあります。悲劇です。だから、接着はしつこいくらい念入りにやりましょうね!

STEP4 仕上げと乾燥 ゆっくり、じっくりが合言葉

形ができたら、ほぼ完成!…と言いたいところですが、もうひと頑張り。作品の表面を綺麗に整える「仕上げ」と、焼成前の「乾燥」という大事な工程が待っています。

 

仕上げは、作品のクオリティをぐっと上げる作業。指で撫でて滑らかにしてもいいし、「なめし皮」というセーム革みたいな道具を水で濡らして、それで表面を優しく拭いてあげると、つるんとした綺麗な肌になります。逆に、あえて指跡を残したり、布の質感を押し付けたりして、手作り感あふれる風合いにするのも面白い。正解はありません。あなたの「好き」を追求してください。

 

そして、仕上げが終わったら、いよいよ乾燥。これがね、焦っちゃダメなんです。絶対に。「早く乾かないかな〜」なんて、ドライヤーを当てたり、直射日光に当てたりするのは厳禁!急激な乾燥は、粘土が収縮するスピードについていけず、ヒビ割れ(「貫入」とは違う、致命的なクラック)の原因になります。

 

風通しの良い日陰で、ゆっくり、じっくり、時間をかけて乾かすのが鉄則。特に、取っ手と本体みたいに、厚みの違う部分がくっついている作品は要注意。薄い部分から先に乾いて収縮し、厚い部分との境目でヒビが入りやすいんです。

 

これを防ぐために、ビニールで全体をふんわり覆って、乾燥のスピードをコントロールしたりします。だいたい1週間から10日くらいでしょうか。作品がカチカチに、そして色が白っぽくなったら乾燥完了の合図。「待つ」というのも、陶芸の楽しみの一つ。作品と静かに対話する時間だと思って、気長に待ちましょう。

タタラ作りでこんなものが作れる!作例とアイデアにワクワクしよう

 

タタラ作りの手順がわかったところで、次は「じゃあ、一体どんなものが作れるの?」という、夢が広がるお話です。

 

はっきり言って、あなたのアイデア次第で何でも作れます。ここでは、初心者でも挑戦しやすいものから、ちょっと個性的なものまで、作例とアイデアをいくつかご紹介しますね。見ているだけで、きっと創作意欲が湧いてきますよ!

まずは挑戦したい!定番の角皿や丸皿

タタラ作りデビューに、私が心からおすすめしたいのが「お皿」です。特に、四角いお皿。タタラを四角くカットして、縁を指で少し持ち上げるだけで、もう完成ですからね。これ以上簡単なことがあるでしょうか?いや、ない(反語)。

 

でも、シンプルだからこそ、奥が深い。例えば、表面に模様をつけてみましょう。一番簡単なのは、スタンプ。市販のスタンプでもいいし、自分で消しゴムを彫ってオリジナルスタンプを作っても楽しい。

 

もっと自然の風合いを取り入れたいなら、散歩の途中で拾ってきた葉っぱを、粘土の上に置いて、のし棒で軽くコロコロ…と転がしてみてください。葉っぱをそっと剥がすと、そこには美しい葉脈がくっきりと写し取られています。これ、めちゃくちゃ感動しますよ!

 

レースの布を押し当てて、繊細な模様をつけるのも素敵です。おばあちゃんのタンスに眠っている古いレースが、あなただけのお皿の上で生まれ変わるなんて、ロマンチックじゃないですか?

 

丸いお皿も、コンパスやボウルを使って円形に切り抜けば簡単。少し深さが欲しいなら、緩やかなカーブのついたお皿やお椀の上にタタラを乗せて、形に沿わせる「型打ち」という技法もあります。
まずは一枚、お気に入りのお皿を作ってみる。それが、タタラ作りの楽しさを実感する一番の近道です。

ちょっと応用編!マグカップや植木鉢だって作れる

お皿作りに慣れてきたら、次は少し立体的なものに挑戦してみましょう。おすすめはマグカップ。長方形のタタラをくるっと丸めて円筒を作り、底に円形のタタラを貼り付ければ、本体は完成です。
一番の難関であり、一番の楽しみでもあるのが「取っ手」。

 

細長く切ったタタラを、自分の手が一番しっくりくるカーブに曲げて、本体に接着します。この取っ手の形や大きさ、つける位置で、マグカップの印象がガラッと変わるから面白い!

 

接着は、先ほども言ったように「傷をつけてドベを塗る」を忘れずに。本体と取っ手の乾燥具合を合わせるために、接着後はビニールで覆ってゆっくり乾かすのが成功の秘訣です。自分で作ったマグカップで飲むコーヒーは、本当に格別の味がしますよ。

 

植木鉢も、タタラ作りと相性抜群です。四角い箱型にしてもいいし、円筒形でも、多角形でも自由自在。そして、絶対に忘れてはいけないのが「底穴」!

 

これを忘れると、ただの水が抜けない器になってしまい、植物が根腐れしてしまいます。私も一度、うっかり穴を開け忘れたオシャレな鉢を作ってしまい、多肉植物をダメにしてしまった苦い思い出が…。デザインに夢中になる前に、底穴は必ず開けましょうね(笑)。

 

表面に好きな模様を彫ったり、色化粧土で絵を描いたり。お気に入りの植物のために、世界に一つだけの家を作ってあげる。これもまた、豊かな時間です。

個性爆発!自由な発想でオブジェやアクセサリーも

タタラ作りの真骨頂は、なんといってもその「自由度の高さ」にあります。器だけが陶芸じゃありません。粘土の板をキャンバスに見立てて、あなたの個性を爆発させてみませんか?

 

例えば、動物の形の置物。好きな動物のシルエットにタタラを切り抜いて、それを2枚用意します。間に細長いタタラを挟んで箱状にすれば、立体的な動物オブジェの完成。ちょっとデフォルメしたデザインにすると、すごく可愛くなりますよ。

 

お家の形のオブジェや、箸置き、カトラリーレストなんかも人気です。食卓に、手作りの小さなアートが加わるだけで、なんだか毎日が少しだけ特別になります。もっと小さな作品なら、陶器のアクセサリーなんていかがでしょう?

 

タタラから小さなパーツを切り出して、ブローチやピアス、ペンダントトップを作るんです。焼く前に穴を開けておけば、金具を通すのも簡単。素朴で温かみのある陶器のアクセサリーは、既製品にはない魅力があります。

 

粘土は、本当に何にでもなってくれる魔法の素材。「こうしなきゃいけない」なんてルールはどこにもありません。あなたが「これ、面白いかも!」と思ったその直感を信じて、自由に手を動かしてみてください。失敗したっていいんです。その失敗から、また新しいアイデアが生まれることだってあるんですから。

タタラ作りを始めるには?必要な道具と場所について

 

「もう我慢できない!今すぐタタラ作りを始めたい!」そんな気持ちになってきましたか?嬉しい!
では、最後に、タタラ作りを始めるために具体的に何が必要なのか、どこでできるのか、という現実的なお話をしましょう。

 

夢を形にするための、最初の一歩です。

最低限これだけは揃えたい!基本の道具リスト

「道具を揃えるのが大変そう…」と思うかもしれませんが、ご安心を。

 

タタラ作りは、比較的少ない道具で始められます。もちろん、凝りだしたらキリがない世界ですが、まずは最低限これだけあればOK、という基本セットをご紹介しますね。

 

粘土: これがないと始まらない!陶芸用品店やネットで、いろんな種類の粘土が売っています。作りたいものや好みの色で選びましょう。初心者なら、扱いやすい「信楽(しがらき)の並土」あたりがおすすめです。

 

タタラ板: 均一な厚さの板を作るためのガイド。5mm厚と7mm厚の2種類くらいあると便利。
のし棒: 粘土を伸ばすための麺棒です。

 

切り針・切り弓: 粘土をカットするための道具。針状のものと、弓状のものがあります。
カンナ: 粘土の表面を削ったり、形を整えたりする道具。平たいもの、カーブしたものなど形は様々。

 

なめし皮: 仕上げに表面を滑らかにするための皮。

 

ドベ: 接着剤代わりの泥漿。粘土を水で溶けば自作もできます。

 

その他: 作業する台(板やキャンバス布)、霧吹き、スポンジ、カッター、定規など。
…と、こう書くと結構多く見えますかね?
でも、陶芸用品店に行けば「初心者セット」みたいなものも売っています。
ただ、正直なところ、いきなり全部自分で揃えるのは、ちょっとハードルが高いかもしれません。なので、私がおすすめしたいのは、まずは「体験教室」に行ってみること。そこで一通り道具に触れて、雰囲気を掴んでから、本当に自分に必要なものを少しずつ揃えていくのが、一番賢い選択だと思いますよ。

自宅?陶芸教室?それぞれのメリット・デメリット

タタラ作りをやる場所は、大きく分けて「自宅」か「陶芸教室」の2択になります。
それぞれに良いところ、ちょっと大変なところがあるので、あなたのライフスタイルに合わせて選んでみてください。

 

【自宅でやる場合】
メリット: 時間や周りを気にせず、自分のペースで没頭できる。究極の自由!
デメリット: 道具を全部自分で揃える必要がある。粘土で汚れるので作業スペースの確保が大変。そ

 

して最大の難関が「焼成(しょうせい)」。作品を焼くための「窯」は、個人で持つには高価で場所もとります。
「じゃあ家じゃ無理じゃん!」って思いますよね。でも、待って。
最近は、作った作品を送れば焼いてくれる「焼成サービス」を提供している窯元や工房が増えているんです。これを利用すれば、自宅で成形と乾燥までやって、焼くだけプロにお願いする、という良いとこ取りが可能になります。

 

【陶芸教室でやる場合】
メリット: 道具も土も窯も全部揃っている。わからないことがあれば、すぐに先生に聞ける安心感。他の生徒さんの作品から刺激をもらえることも。
デメリット: 月謝やチケット代など費用がかかる。通える曜日や時間が決まっている。

 

私個人の意見としては、やっぱり最初は陶芸教室に通うのがおすすめです。
基本的な技術や土の扱い方を、プロから直接学べるのは何物にも代えがたい経験です。菊練りのコツも、ドベの適切な濃さも、乾燥の見極め方も、やっぱり目の前で教えてもらうのが一番わかりやすい。

 

そこで基本をマスターしてから、自宅でじっくり作品作りをする、というステップアップが、挫折しないための近道かもしれませんね。

まとめ 粘土の板一枚から広がる、無限の可能性をその手に

 

さて、ここまでタタラ作りの魅力について、かなり熱く語ってきましたがいかがでしたか?粘土を板状に伸ばして、切って、貼って、組み立てる。

 

一見すると、とてもシンプルなこの技法が、どれだけ自由で、創造的で、そして私たち初心者に優しいものか、少しでも伝わっていたら嬉しいです。

 

陶芸といえば、やはり電動ろくろへの憧れがあるかもしれません。くるくる回る土の塊から、スッと美しい形が生まれる様は、確かに魔法のようです。でも、その魔法は、一朝一夕で手に入るものではありません。

 

その前に、まずは自分の手で、粘土という素材そのものと対話する喜びを、タタ-ラ作りで感じてみませんか?

 

均一な厚さの粘土の板は、いわば約束された安定感。そこからなら、失敗を恐れずに、あなたの頭の中にあるアイデアを、自由に、大胆に形にしていくことができます。四角いお皿も、動物のオブジェも、あなたの「作りたい!」という気持ちを、タタラは真正面から受け止めてくれるんです。

 

「陶芸は難しそう」という、見えない壁。この記事を読んで、その壁が少しでも低くなったと感じてくれたなら、これ以上嬉しいことはありません。

 

必要なのは、ほんの少しの知識と、やってみたいという好奇心だけ。粘土のひんやりとした感触、自分の手で形が生まれていく驚き、そして世界にたった一つの作品が完成した時の、えもいわれぬ達成感。

 

さあ、次はあなたの番です。粘土の板一枚から始まる、無限の可能性を、その手で掴んでみませんか?きっと、あなたの毎日を、もっと豊かで楽しいものにしてくれるはずですよ。