陶芸って自宅でできるの?はい、できます!初心者の私が本気で調べて、実際にやってみた

「陶芸」って聞くと、どんなイメージがありますか?なんだか本格的で、特別な工房に通わないとできない…そんな風に思っていませんか?私も、ほんの数ヶ月前まではそうでした。轆轤(ろくろ)を回して、汗水たらして、大きな窯で焼き上げる…みたいな。でも、ある日ふと思ったんです。「あれ?もしかして、陶芸って自宅でできるんじゃない?」って。

 

陶芸は自宅でできます。 しかも、想像しているよりもずっと手軽に、驚くほど簡単に始められるんです。この記事では、陶芸に憧れつつも一歩を踏み出せなかった、かつての私のようなあなたに向けて、自宅で陶芸を始めるための具体的な方法、必要なもの、そして私が実際にやってみて感じたリアルな喜びや失敗談を、ありったけの熱量を込めてお伝えします。

 

この記事を読み終える頃には、きっとあなたも粘土をこねてみたくてウズウズしているはず。不格好でもいい、自分だけの一点モノの器を作る、そんな最高の「おうち時間」を始めてみませんか?

陶芸は自宅でできます!しかも方法は意外と簡単

 

「いやいや、自宅にあの大きな窯なんて置けないでしょ!」そう思ったあなた、正解です。でも、安心してください。現代の自宅陶芸は、そんな大掛かりな設備がなくても楽しめる方法がちゃんとあるんです。私自身、最初は半信半疑だったんですけど、調べてみたら「え、そんな方法があったの!?」と目からウロコでした。自宅でできる陶芸には、大きく分けて2つのアプローチがあります。どちらも魅力的で、あなたのライフスタイルや「どこまでやりたいか」に合わせて選べるんですよ。

まずはこれ!超お手軽「オーブン陶芸」という選択肢

まず、私が全力でオススメしたいのが、この「オーブン陶芸」です。名前の通り、家庭用のオーブンレンジで作品を焼き固めることができる、まさに自宅陶芸の入門にうってつけの方法なんですよ。これを知った時、「え、料理に使うあのオーブンでいいの!?」って、思わず声が出ました。そうなんです、あのオーブンでいいんです。

 

オーブン陶芸で使うのは、低温(160℃〜180℃くらい)で固まる特殊な「オーブン陶土」という粘土。これをこねて、好きな形を作って、しっかり乾燥させたら、あとは予熱したオーブンに入れて指定の時間焼くだけ。たったこれだけで、カチカチに固まった陶器風の作品が完成しちゃうんです。すごくないですか?

 

何より魅力的なのは、その手軽さ。特別な道具もほとんどいりません。粘土と、あとは家にある麺棒とか、竹串とか、そんなもので十分形は作れます。初期費用をぐっと抑えられるので、「ちょっと試してみたいな」という気持ちに完璧に応えてくれるんですよね。私も最初は「本当に固まるのかな…」なんて疑っていましたが、オーブンから出したての熱々の作品を手に取った時の感動は、今でも忘れられません。カチッとした硬さと、土の素朴な手触り。「うわ、本当にできた…!」って、しばらく一人でニヤニヤしてました。

ちょっと本格派?でも夢じゃない「小型電気窯」の世界

オーブン陶芸で物足りなくなってきたら、次のステップとして考えられるのが「小型電気窯」の導入です。これはもう、趣味の域を超えて「自宅工房」と呼んでもいいレベルかもしれませんね。夢が広がります!

 

小型電気窯というのは、その名の通り、家庭用のコンセントで使えるコンパクトな電気窯のこと。もちろん、オーブンレンジよりは大きくて場所も取りますし、お値段もそれなりにします。安いものでも10万円前後から、といった感じでしょうか。正直、ポンと買える金額ではないですよね。私も「うわー、欲しいけど、これはちょっと覚悟がいるな…」と、今も指をくわえて商品を眺めている段階です。

 

でも、小型電気窯があれば、できることの幅が桁違いに広がるんです。オーブン陶芸では使えない、いわゆる「本物」の陶芸用粘土が使えますし、1200℃以上の高温で焼き上げる「本焼き」ができるようになります。これによって、オーブン陶芸では難しかった、あのガラス質でツルツルした「釉薬(ゆうやく)」をかけた作品が作れるようになるんですよ。つまり、お店で売っているような、実用的な食器を自宅で生み出せるようになるということ。考えただけでワクワクしませんか?自分の作ったお茶碗でご飯を食べる…最高の贅沢だと思いませんか?

結局どっちがいいの?それぞれのメリット・デメリットを本音で語る

じゃあ、オーブン陶芸と小型電気窯、どっちがいいの?って話ですよね。これはもう、あなたの「熱量」と「環境」次第、としか言いようがありません。

 

まずオーブン陶芸のメリットは、なんといっても「手軽さ」と「低コスト」。これに尽きます。思い立ったら明日からでも始められるフットワークの軽さは、何物にも代えがたい魅力です。一方、デメリットは、本格的な陶器に比べると強度が劣ること。なので、ガンガン洗う食器とかよりは、アクセサリートレイや置物、植木鉢といった雑貨作りに向いているかな、と私は感じています。あと、釉薬が使えないので、どうしても仕上がりはマットで素朴な風合いになります。まあ、それが味なんですけどね!

 

対して小型電気窯のメリットは、「本格的な作品が作れる」こと。これ一択です。強度も実用レベルだし、釉薬で色とりどりの表現ができる。作品のクオリティは格段に上がります。デメリットは、言わずもがな「高コスト」と「設置場所の確保」。あと、焼成に時間がかかったり、電気代も気になったり。気軽にホイホイ使えるものではない、という覚悟は必要だと思います。

 

私の個人的な意見を言わせてもらうと、まずは絶対にオーブン陶芸から始めるべき!断言します。そこで「あ、私、土いじるの好きだわ…もっと色々作りたい!」ってなったら、その時に初めて小型電気窯を検討すればいいんです。最初から背伸びして高い機材を買って、結局使わなかったら…悲しいじゃないですか。まずは数千円の投資で、自分と陶芸の相性を確かめてみる。それが一番賢い選択だと、私は思いますよ。

自宅で陶芸を始める前に知っておきたい「これだけは揃えとけ!」リスト

 

さて、「よし、オーブン陶芸やってみよう!」と決めたあなた。次に気になるのは「で、何を買えばいいの?」ということですよね。安心してください。驚くほど少ないアイテムで始められます。ここでは、私が実際に使ってみて「これは絶対に必要!」「これはあると超便利!」と感じたものを、包み隠さずお伝えしますね。変に高いものを買う必要は全然ありませんから!

オーブン陶芸編 これさえあれば今日から始められる基本セット

まずは、これがないと始まらない、絶対に必要な最低限のアイテムから。本当にこれだけで、とりあえず形にはなります。

 

オーブン陶土: 主役です。これが粘土。手芸屋さんやネット通販で簡単に手に入ります。最初は扱いやすい「工作用」とか書かれているものがオススメ。色も白、黒、テラコッタ風の茶色など色々あるので、作りたいもののイメージに合わせて選ぶと楽しいですよ。一袋1000円前後で、マグカップ2〜3個分くらいは作れるかな、という量です。

 

作業用の板、またはシート: 粘土をこねたり伸ばしたりする時に、机が汚れないように敷くもの。私は100均で買ったプラスチックのまな板を使っていますが、クリアファイルを開いたものでも、ツルツルした下敷きでも何でもOK。粘土がくっつきにくい素材なら大丈夫です。
水を入れた器: 粘土をくっつけたり、表面を滑らかにしたりする時に使います。これも空き瓶とか、使わなくなったコップとかで十分。

 

霧吹き: 粘土が乾燥しないように、作業中にシュッシュッと水をかけるために使います。これも100均で。
クッキングシート: 焼く時に天板に敷きます。これはお家にありますよね?
家庭用オーブンレンジ: もちろん必須です(笑)。温度設定ができるタイプなら、ほとんどの機種で使えるはずです。

 

どうです?思ったより少なくないですか?ほとんど家にあるものか、100均で揃うものばかり。これなら、気軽に始められそうですよね。

ちょっと待って!意外と見落としがちな便利グッズたち(私の失敗談付き)

上記の基本セットだけでも作れるんですが、「あー、あれがあればもっと楽だったのに!」と後から私が買い足した、あると作業効率が爆上がりする便利グッズも紹介させてください。

 

ヘラ(スパチュラ): これ、地味に超重要です。粘土を削ったり、細かい模様をつけたり、パーツのつなぎ目を滑らかにしたり…。最初は竹串で代用してたんですけど、やっぱり専用のヘラがあると仕上がりが全然違う!ステンレス製の色々な形がセットになったものが1000円くらいで売ってるので、これは最初に買っておくことを強く推奨します。私、最初ケチって買わなかったら、爪の間に粘土が詰まって茶色くなるし、表面はガタガタになるしで、もう大変でしたから…。

 

スポンジ: 仕上げに作品の表面を濡らしたスポンジで撫でると、びっくりするくらい滑らかになります。指で撫でるのとは雲泥の差。キメの細かい化粧用スポンジとかがオススメです。これも100均で。

 

麺棒: 粘土を均一な厚さに伸ばす時に使います。ラップの芯とかでも代用できるけど、やっぱり麺棒の方が力が入れやすくて断然楽。これもキッチンにあるものでOKですね。

 

タッパーなどの密閉容器: 使いかけの粘土を保存する時に必須です。オーブン陶土は一度開封するとどんどん乾いていってしまうので、濡らした布巾やキッチンペーパーで包んでから密閉容器に入れておくと、しばらくは柔らかさを保てます。これを怠ると、次に使おうとした時にはカチカチの石になっていて、泣くことになります(一回やりました)。

粘土ってどこで買うの?種類は?初心者が選ぶべき粘土はこれだ!

いざ粘土を買おう!と思っても、手芸屋さんやネットを見ると意外と種類があって「どれがいいの…?」ってなりませんか?なりますよね。私もなりました。

 

まず、買う場所ですが、大きな手芸用品店(ユザワヤさんとか)や画材屋さん(世界堂さんとか)には大体置いてあります。あとは、Amazonや楽天などのネット通販が品揃えも豊富で便利です。

 

そして、初心者が選ぶべき粘土ですが、ズバリ「ヤコ オーブン陶土」シリーズが鉄板だと思います。たぶん、多くの人が最初に使うのがこれじゃないかな。私ももちろん、ここから入りました。「工作用」「食器用(コート剤が必要)」「紅陶」など種類がありますが、まずは「工作用」から試すのが一番間違いがないです。扱いやすい柔らかさで、成形もしやすい。色も白っぽい「ミルク」やベージュの「エコ」などがあるので、お好みで選んでみてください。

 

いきなりマニアックな粘土に手を出すと、ひび割れしやすかったり、扱いにコツが必要だったりして、最初の「作る楽しさ」を感じる前に挫折してしまう可能性があります。陶芸って、何よりも「楽しい!」って思うことが続ける秘訣だと思うんですよ。だから、最初はみんなが使っている王道の粘土で、まずは成功体験を積む。それが一番大事なんです。

私が実際にやってみた!自宅陶芸のリアルな制作フロー

 

道具も揃ったところで、いよいよ制作です!ここからは、私が初めて自宅で湯呑み(のような何か)を作った時の、感動と絶望が入り混じったリアルな制作フローを、ステップごとにご紹介します。頭で考えるのと、実際にやってみるのとでは大違い。これから始めるあなたの、心の準備になれば幸いです(笑)。

ステップ1「こねる」 無心になれる最高の時間、でも注意点も…

さあ、いよいよ粘土とのご対面です。袋から出したての粘土は、ひんやりとしていて、ずっしりと重い。この感触が、なんだかもう、たまらないんですよね…。まずは、使う分だけ粘土をちぎって、しっかりとこねていきます。この作業を「菊練り」なんて言ったりしますが、初心者がいきなりそんな本格的なことをする必要は全くありません。

 

大事なのは、粘土の中の空気を抜くことと、硬さを均一にすること。粘土の中に空気が残ったままだと、焼いた時にその空気が膨張して、作品が割れたり、最悪の場合「パンッ!」と音を立てて弾け飛ぶ(!)ことがあるらしいんです。こ、怖い…!なので、体重をかけて押しつぶすように、何度も何度もこねていきます。

 

この「こねる」作業、無心になれて、めちゃくちゃストレス解消になります。日頃の嫌なこととか、全部粘土に押し付けてやる!くらいの気持ちでこねていると、いつの間にか粘土が滑らかな手触りになってきて…。この時点で、すでに楽しい。ただ、注意点が一つ。夢中になってこねすぎると、手の水分が奪われて粘土がパサパサになってくるので、適度に霧吹きで湿らせながら作業するのがポイントです。

ステップ2「かたちづくる」 手びねりの魅力と絶望の瞬間

粘土の準備ができたら、いよいよ成形です!自宅でやるなら、轆轤(ろくろ)を使わない「手びねり」という方法が基本になります。手びねりにもいくつか技法があるんですが、私がやったのは一番簡単な「ひもづくり」。

 

粘土を細長いひも状にして、それをぐるぐると渦巻きのように積み上げていく方法です。底になる円盤を作って、その上にひもを一周乗せたら、指やヘラで内側と外側のつなぎ目を滑らかになじませていく。また一周乗せて、なじませる…。この繰り返し。

 

頭の中では、それはもう、オシャレなカフェに置いてあるような、ちょっと歪んだけど味のある、素敵なフリーカップが出来上がる予定でした。ええ、予定でしたとも。でもね、現実はそんなに甘くないんですよ。ひもを積み上げていくうちに、なぜかどんどん器が斜めに傾いていくんです。「あれ?なんで?ピサの斜塔?」みたいに。慌てて修正しようとすると、今度はぐにゃりと歪んでしまったり。

 

「ああもう!」って、一瞬投げ出したくなりました。頭の中の完璧なイメージと、目の前のぐにゃぐにゃした物体とのギャップに、軽く絶望します。でも、ここで腐ったら負け。多少歪んでいても、「これも味だ!」と自分に言い聞かせ、なんとかカップのような形に整えました。完璧じゃなくてもいい。自分で作るって、こういうことなんだな、と。この不格好さこそが、後から愛おしくなるんですよね。…たぶん。

ステップ3「乾燥させる」 ここで焦ると全部パーになる恐怖

形ができたら、すぐに焼きたい気持ちをぐっとこらえて、次は「乾燥」の工程に入ります。これが、地味だけど、ものすごく重要なステップなんです。

 

作品を、風通しの良い日陰でじっくりと乾かします。期間は、作品の大きさや厚み、季節(湿度)にもよりますが、最低でも3日〜1週間は見ておいた方がいいです。ここで焦って「もう乾いたかな?」なんて生乾きのまま焼いてしまうと、残っていた水分が急激に蒸発して、ほぼ確実にひび割れます。せっかく作った作品が音を立てて割れる…想像しただけでゾッとしますよね。

 

だから、とにかく待つ。ひたすら待つ。「まだかな、まだかな」と毎日作品を眺めるのも、なんだか我が子の成長を見守る親のような気分で、これはこれで楽しい時間です。表面が白っぽくなって、持った感じが軽くなったら、乾燥完了のサイン。爪で軽くコンコンと叩いてみて、乾いた音がしたらOKです。この、乾燥してカチカチになった状態の作品も、なんだか儚げで美しいんですよ。

ステップ4「焼く」 自宅のオーブンが窯になる感動的な瞬間!

ついに、クライマックスの「焼成」です!カチカチに乾いた作品を、クッキングシートを敷いた天板に乗せます。そして、指定の温度(私が使った粘土は160℃〜180℃でした)に予熱したオーブンへ、そーっと入れます。扉を閉める瞬間は、なんだか我が子を旅立ちさせるような、ちょっとした緊張感があります。

 

焼き時間は30分〜60分くらい。この間、もうソワソワしちゃって、オーブンの窓に張り付いて中をずーっと見守ってました(笑)。特に見た目の変化はないんですけどね。でも、「今、この中で、ただの土くれが、硬い陶器に生まれ変わろうとしているんだ…」って思うと、めちゃくちゃ感動的な時間でした。

 

そして、タイマーが鳴り、「チン!」という音と共に焼き上がり!オーブンの扉を開けると、もわっとした熱気と一緒に、土が焼けた香ばしい匂いが漂います。この匂いがまた、いいんですよ…。火傷しないように、軍手をして慎重に取り出します。焼きたてはめちゃくちゃ熱いので、絶対に素手で触っちゃダメですよ!

 

冷めるまでしばらく待って、いよいよ手に取ってみます。乾燥した状態よりも、さらに硬く、そして少し色が濃くなっている。コンコン、と叩いてみると、ちゃんと「陶器」の音がするんです。「うわー!できたー!!」と思わず叫んでしまいました。歪んでるし、指の跡もくっきり残ってる。でも、間違いなく、私がゼロから作り上げた、世界に一つだけの作品。この達成感と感動は、何にも代えがたいものがありました。

ここが知りたい!自宅陶芸のQ&Aコーナー

 

さて、実際にやってみたくなった方も、まだいくつか気になることがあるんじゃないでしょうか。「ぶっちゃけ、お金は?」「部屋は汚れるの?」そんな、誰もが抱くであろうリアルな疑問に、私の体験談を交えながら正直にお答えしていきます!

ぶっちゃけ、いくらかかるの?初期費用とランニングコスト

お金の話、大事ですよね。すごく大事。まず、私が推奨する「オーブン陶芸」で始める場合の初期費用ですが、ズバリ3,000円〜5,000円くらい見ておけば十分です。
内訳はこんな感じ。
オーブン陶土:約1,000円
ヘラセット:約1,000円
作業用シート、霧吹き、スポンジなど(100均で調達):500円くらい
(必要であれば)アクリル絵の具やコート剤:1,000円〜2,000円

 

ね?思ったより安くないですか?これなら、ちょっと新しい趣味を始める感覚で挑戦できますよね。
ランニングコストとしては、粘土や絵の具を買い足していく費用と、あとはオーブンで焼く時の電気代くらい。電気代も、30分〜1時間程度の使用なので、そこまで気にするほどの金額にはならないと思います。お菓子を1回焼くのと同じくらいかな、という感覚です。もちろん、小型電気窯を買うとなると話は別で、初期費用で10万円以上、電気代もそれなりにかかってきます。だからこそ、まずはオーブン陶芸から、なんです。

部屋は汚れる?賃貸でも大丈夫?後片付けのリアル

これも気になりますよね。特に賃貸にお住まいの方は、「床や壁が汚れちゃったらどうしよう…」と心配になると思います。結論から言うと、対策をすれば、全く問題ありません。

 

まず、作業する場所には、ブルーシートや新聞紙を広範囲に敷きましょう。粘土の欠片がポロポロ落ちたり、水がはねたりすることは、どうしてもあります。粘土の粉って、乾くと白っぽく舞い上がって、意外と広範囲に飛ぶんですよ。だから、「この範囲なら汚れてもOK」という聖域をしっかり作っておくことが大事。

 

そして、一番注意すべきは「後片付け」、特に粘土を洗い流すシンクです。粘土の粒子は非常に細かくて、そのまま排水溝に流すと、中で固まって詰まりの原因になる可能性があるんです。こ、これは怖い…!なので、粘土がついた手や道具を洗う時は、まず大きなバケツに溜めた水の中で大まかな汚れを落とすのが鉄則。そして、バケツの水を一晩置いておくと、粘土の粒子が底に沈殿するので、上澄みのきれいな水だけをそっと流し、底に溜まった粘土の泥は、新聞紙などに広げて乾かしてから燃えるゴミとして捨てる。この一手間を絶対に惜しまないでください。これを守れば、賃貸でも安心して楽しめますよ!

作った作品って本当に使えるの?強度とか安全性とか

「オーブン陶芸で作った器って、食器として使えるの?」という質問、よく聞かれます。これについては、「条件付きで使える」というのが正直な答えです。

 

オーブン陶芸の粘土には、「食器使用OK」と書かれているものがあります。ただし、そのままでは耐水性や安全性が不十分な場合が多いので、焼き上がった後に専用の耐水・耐油コート剤(これも粘土と同じメーカーから出ています)を塗る必要があります。このコート剤を塗ることで、食器としての安全基準をクリアできる、というわけです。

 

ただ、個人的な意見としては、オーブン陶芸で作ったものを、日常的にガンガン使うメインの食器にするのは、ちょっと心もとないかな…と感じています。本格的な陶器に比べると、どうしても強度は劣ります。電子レンジや食洗機はもちろんNG。硬いスプーンでガシガシこすったりしたら、傷がつく可能性もあります。

 

なので、私がオススメするのは、お菓子を乗せるお皿とか、おかずをちょっと盛る小鉢とか、アクセサリートレイ、ペン立て、植木鉢といった、そこまで強度を求められない用途で楽しむこと。まずは雑貨作りから入って、「自分で作ったモノに囲まれて暮らす楽しさ」を味わうのが、一番ハッピーな使い方なんじゃないかな、と思います。

どうしても上手くいかない!そんな時の駆け込み寺

「やってみたけど、ひび割れちゃう…」「全然思った形にならない!」そんな風に、壁にぶつかる時もきっとあると思います。でも、そこで諦めないで!

 

まず、今の時代、最高の先生がインターネット上にたくさんいます。YouTubeで「オーブン陶芸 やり方」とか「手びねり コツ」なんて検索すれば、プロの陶芸家さんや、趣味で楽しんでいる先輩方が、めちゃくちゃ丁寧に解説してくれている動画がたくさん見つかります。私も、ひび割れの原因が分からなかった時、動画を見て「あ、乾燥のさせ方が急すぎたのか!」と気づかされたことがありました。

 

それでもダメなら、一度プロに習ってみるのもアリだと思います。今は、単発で参加できる陶芸体験教室がたくさんありますよね。そこで、土の扱い方の基本や、プロの技を間近で見て、直接質問してみる。そうすると、今まで悩んでいたことが一気に解決したりするものです。自宅でやるのが基本だとしても、たまに外で刺激を受けるのは、すごく大事なことだと思いますよ。

まとめ 自宅陶芸は最高の「おうち時間」エンターテイメントだった

 

さて、ここまで「陶芸は自宅でできる!」というテーマで、私の熱量に任せて語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

結論として、自宅での陶芸は、間違いなく可能です。 そして、それは特別なことではなく、オーブン陶芸という素晴らしい方法を使えば、誰でも気軽に、驚くほど低コストで始められる最高の趣味なんです。

 

私が実際にやってみて感じたのは、自宅陶芸は単なる「モノづくり」ではないということ。ひんやりとした土の感触に癒やされ、無心でこねる時間は一種の瞑想(めいそう)のようであり、頭の中のイメージを形にする創造の喜びがあり、そして、焼き上がりの瞬間を待つドキドキ感は、最高のエンターテイメントでした。

 

もちろん、最初から完璧な作品なんて作れません。私が最初に作ったカップ(のようなもの)は、今見ても笑ってしまうくらい歪んでいます。でも、それでいいんです。その不格好さも、作った時の苦労も、全部含めて「私の作品」。お店で買うどんなに素敵な器よりも、愛おしく感じられます。

 

もしあなたが、何か新しいことを始めたい、無心になれる時間が欲しい、自分だけのオリジナルなモノを作ってみたい、そう思っているなら、ぜひ自宅陶芸に挑戦してみてください。粘土一袋と、ほんの少しの勇気があれば、あなたの日常はもっと豊かで、もっと楽しいものになるはずです。さあ、まずはネットで「オーブン陶土」と検索してみませんか?あなたの「自宅陶芸家」としての日々は、そこから始まるのですから。