【体験談】陶芸は「気持ちいい」の塊だった。ストレス社会で生きるあなたに伝えたい

毎日お仕事、家事、育児、本当にお疲れ様です。なんだか心がずっとザワザワしている、スマホばかり見て頭が疲れている、無心になれる時間がほしい…。もしあなたがそう感じているなら、ぜひ一度、陶芸をやってみてほしいんです。

 

「え、陶芸?なんだか難しそうだし、ハードル高くない?」

 

わかりますよ!私も最初はそう思っていました。でも、勇気を出して体験教室のドアを叩いてみたら、そこには想像を絶する「気持ちいい」の世界が広がっていたんです。ひんやりと湿った土の感触、ろくろの回転に身を委ねる無心になれる時間、そして自分の手から世界に一つだけの形が生まれる喜び。これは、ただの趣味じゃありません。心と体を丸ごとデトックスしてくれる、最高のセラピーです。

 

この記事では、私が実際に体験して感じた「陶芸の気持ちよさ」を、余すところなくお伝えします。この記事を読み終わる頃には、きっとあなたも近所の陶芸教室を検索しているはず。騙されたと思って、私の熱苦しい話に少しだけ付き合ってみませんか?あなたの毎日が、もっと豊かで、もっと「気持ちいい」ものになる、そのきっかけがここにあるかもしれません。

陶芸は心と体を揺さぶる最高の快感なんです

 

いきなり大げさな見出しでごめんなさい。でも、本当にそうなんだから仕方ないんです。私が陶芸にどっぷりハマった理由は、突き詰めるとこの「快感」に尽きます。それはジェットコースターのような瞬間的な興奮とは違う、じわーっと心と体に染み渡るような、持続的な心地よさ。

 

もしあなたが日々の生活に何か物足りなさや、漠然としたストレスを感じているなら、陶芸は特効薬になるかもしれません。いや、なります!断言しちゃいます。その「気持ちよさ」の正体を、私の体験を交えながら、少しだけ語らせてください。

 

土に触れるただそれだけで脳がとろける不思議な感覚

初めて陶芸教室で粘土の塊を渡された時のこと、今でもはっきりと覚えています。2月の寒い日でした。工房の中は少しひんやりしていて、ストーブの匂いが混じっていましたね。先生に「はい、どうぞ」と渡された、ずっしりと重い灰色の塊。おそるおそる両手で包み込むと、「ひゃっ!」と思わず声が出ました。

 

ひんやりとして、しっとりと湿っていて、きめ細かい。なんだろう、この感覚。スーパーで売ってる紙粘土とは全然違う、もっと生命力があるというか、地球そのものを触っているような…そんな大げさな感覚に襲われたんです。指でぐっと押すと、むにゅーっと形を変える。手のひらで転がすと、その重みが心地いい。ああ、私、今「土」に触れてるんだなあって。

 

これ、心理学とかで言う「アーシング」に近い効果があるらしいですよ。大地と直接つながることで、体内に溜まった電気を放出して心身のバランスを整える、みたいな。正直、理屈はどうでもいいんです。ただ、あの土の感触は、パソコンのキーボードやスマホのガラス画面ばかり触っている現代人の乾いた指先に、潤いと安らぎを与えてくれるのは間違いありません。意味もなくずっとこねていたくなる、あの不思議な中毒性。まずはこの「触れる気持ちよさ」だけでも、体験する価値、大アリです。

 

無心になれる時間こそ現代人に必要なデジタルデトックス

そして、陶芸の真骨頂とも言えるのが「ろくろ」です。ウィーンというモーター音とともに回り出す円盤。その中心に土を据え、水をつけながら両手で包み込む。最初はもう、土が大暴れ!遠心力に負けて、ぐにゃぐにゃになった粘土が明後日の方向に飛んでいったり、ちょっと力を入れただけで変な形になったり。「ああもう、なんで言うこと聞いてくれないの!」って、本気でイライラしました。

 

でも、先生に「もっと力を抜いて、土の声を聞いて」と言われて、深呼吸してもう一度。すると、ある瞬間、ふっと土と自分の感覚が一体になる時が来るんです。土が手のひらの中で静かに回り、指の動きに素直についてくる。上に、横に、滑らかに伸びていく。この瞬間、頭の中は完全に「無」になります。

 

明日の会議のこと、面倒な人間関係のこと、返信しなきゃいけないLINEのこと…全部どこかへ消え去って、目の前の土のことしか考えられなくなる。考えようとしなくても、勝手にそうなっちゃうんです。これぞ究極のマインドフルネス。スマホなんて見る暇もありません。まさに、強制デジタルデトックス!数時間、土とだけ向き合った後の爽快感といったら…。頭の中を丸洗いしたような、すっきりとした感覚。この「無心になれる気持ちよさ」を知ってしまったら、もうやめられませんよ。本当に。

初心者でも大丈夫!陶芸体験で味わう「気持ちよさ」の具体的なステップ

 

「でも、私不器用だし、センスもないし…」なんて声が聞こえてきそうですね。大丈夫、大丈夫!何を隠そう、この私も絵心ゼロ、図工の成績はいつも平均点以下という人間ですから。陶芸はセンスや器用さよりも、「楽しみたい!」という気持ちが一番大事。ここでは、そんなあなたでも安心して「気持ちいい」を体験できる、具体的なステップをご紹介します。

 

まずは体験教室へGO!手ぶらでOKという気軽さが最高

陶芸を始めるのに、いきなり高価な道具を揃える必要は全くありません。まずは「陶芸 体験教室 地域名」で検索してみてください。きっと、あなたの家の近くにも素敵な工房が見つかるはずです。

 

多くの体験教室は、2時間〜3時間で料金も数千円程度。土も道具も、ぜーんぶ用意してくれています。私たちが持っていくのは、「汚れてもいい服(もしくはエプロン)」と「楽しむ気持ち」だけ。なんて気軽なんでしょう!思い立ったが吉日、予約してふらっと行けるのが魅力です。

 

教室を選ぶポイントは、ウェブサイトの写真の雰囲気とか、先生のプロフィールを見て「なんか合いそうだな」って直感で決めるのが意外と良かったりします。私の場合は、生徒さんたちの作品がみんな個性的で、楽しそうに作っている写真が載っていた工房に決めました。結果、大正解。先生も「失敗なんてないから!全部『味』だから!」って笑い飛ばしてくれるような、素敵な方でした。まずは一歩、踏み出してみることが何より大切ですよ。

 

土練りから始まる自分との対話の時間

体験教室に行くと、まず最初にやることがあります。それが「土練り(つちねり)」。粘土の塊から空気を抜いて、硬さを均一にするための、とっても地味で、でもめちゃくちゃ重要な作業です。

 

代表的な練り方に「菊練り」というのがあるんですが、これがもう、難しいのなんの!粘土を回しながら、体重をかけて押し込んでいく。うまくできると、粘土の表面に菊の花びらのような模様が浮かび上がるんですが、初心者がやるとただのぐちゃぐちゃな塊になるだけ。私も最初は汗だくになりながら、先生に「うーん、なんか違うなあ!」と笑われていました。

 

でもね、この作業がまた、いいんですよ。無心で土をこねていると、だんだん土が柔らかくなって、自分の手の形に馴染んでくる。硬かった土が、少しずつ言うことを聞いてくれるようになる。この過程が、なんだか自分自身と対話しているような気分になるんです。「焦らない、焦らない」「もっと力を抜いて」って、土に教えられているような。地味だけど、この土練りの段階で、すでに陶芸の「気持ちよさ」の片鱗を味わうことができるはずです。

 

ろくろの上で形が生まれる魔法のような瞬間

いよいよ、メインイベントの「ろくろ」です。土練りした粘土をろくろの中心に据えて、回転スタート!先生が横についてくれて、「はい、まずはおへそを作りますよー」「親指をぐーっと入れて…」と指導してくれます。

 

最初は本当にうまくいきません。中心がズレて器がぐわんぐわん揺れたり、薄くしすぎて底に穴が開いたり(私、これ3回やりました)。そのたびに「あーっ!」って叫んで、先生と大笑い。でも、何度か繰り返すうちに、奇跡の瞬間が訪れます。

 

すーっ…。

 

両手で包んでいた土の塊が、まるで意思を持ったかのように上に伸びていく。自分の指先のわずかな力加減で、器の縁が広がったり、すぼまったりする。え、うそ、これ私がやってるの?魔法みたい…!あの感動は、言葉ではうまく表現できません。自分の手の中から、今までこの世になかった「形」が生まれてくるんです。不格好でも、歪んでいても、それは紛れもなく自分の作品。この創造の喜び、創作の快感は、一度味わうと病みつきになります。これが陶芸の醍醐味なんだなあって、泥だらけの手を見ながら、しみじみ思いました。

 

絵付けと釉薬選び最後の「自分らしさ」を吹き込む作業

形作りが終わったら、それで終わりじゃありません。素焼き(一度低い温度で焼くこと)が終わった器に、色をつけたり、模様を描いたりする「絵付け」や、焼き上がりの色や質感を決める「釉薬(ゆうやく)」を選ぶ作業が待っています。これがまた、悩ましくも楽しい時間なんです。

 

絵付けは、専用の絵の具で好きな絵を描いていきます。私は絵心がないので、シンプルな線を描いたり、ドット模様をつけたりするだけ。それでも、自分で描くと愛着が湧くから不思議です。

 

そして、運命の釉薬選び。これが本当に奥深い!「この透明な液体をかけると、焼いたら綺麗な青色になるんですよ」「こっちはザラザラした質感になります」なんて先生に説明されても、最初は全然イメージが湧きません。まるでギャンブルみたい。でも、その「どうなるかわからない」ワクワク感がたまらないんです。「よし、今回はこのマットな白に賭けてみよう!」とか「思い切って、この渋い緑にしてみるか!」とか。最後の最後まで、自分の「好き」を詰め込める。この工程があるからこそ、完成した作品がより一層、愛おしいものになるんですよね。

陶芸が私の日常にもたらした予想外の嬉しい変化

 

陶芸は、ただ「気持ちいい」だけじゃありませんでした。趣味として続けていくうちに、私の日常生活や考え方にも、じわじわと良い影響を与えてくれるようになったんです。まさか、土いじりが人生観にまで影響するなんて、始める前は思いもしませんでしたけどね。

歪んだ器が愛おしい「完璧じゃなくてもいい」という気づき

最初の頃は、お店で売っているような、つるんとした完璧な形の器を作りたくて必死でした。ちょっとでも歪むと「ああ、失敗だ」と落ち込んで、すぐに土に戻してやり直したり。でも、続けていくうちに、だんだんその考え方が変わってきたんです。

 

ある日、ろくろで少し歪んでしまったお茶碗を、「まあ、いっか」と思ってそのまま焼いてもらうことにしました。完成品が届いて、その歪んだお茶碗でご飯を食べてみたら…あれ?なんだか、すごく手に馴染む。歪んでいるからこそ、親指がちょうどいい場所に収まるんです。その瞬間、ハッとしました。完璧な形だけが正解じゃないんだな、って。

 

この少し歪んだ感じ、ちょっと不格好なところが、なんだか自分自身みたいで、すごく愛おしく思えたんです。それ以来、仕事で小さなミスをしたり、物事が計画通りに進まなかったりしても、「まあ、いっか。これも味だよね」って、前よりずっと寛容になれるようになりました。陶芸が、私に「完璧じゃなくてもいいんだよ」という大切なことを教えてくれた気がします。

 

自分で作った器で食べるご飯はなぜか3倍美味しくなる法則

これは陶芸をやっている人、全員が同意してくれると思うんですけど、自分で作った器で食べるご飯は、本当に、本当ーーーに美味しいんです!これはもう、科学では証明できない法則です。

 

初めて自分で作った、ちょっと歪なご飯茶碗が焼き上がって家に届いた日。もう嬉しくて嬉しくて、その日は炊きたての白米と、卵と、お醤油だけで「究極の卵かけご飯」を楽しみました。いつもと同じ卵かけご飯のはずなのに、なんだろう、この幸福感は。一口一口が、すごくありがたくて、美味しい。自分の手で土から作り上げた器が、今こうして目の前で食べ物を支えてくれている。その事実だけで、いつもの食事が何倍も豊かで、特別なものに感じられるんです。

 

今では我が家の食器棚は、私が作った個性豊かな(言い換えれば不格好な)器たちでいっぱいです。カレー皿、パスタ皿、コーヒーカップ。その日の気分で「今日はどの子を使おうかな」と選ぶ時間も、ささやかだけど幸せなひととき。日常に、そんな小さな喜びが増える。これも陶芸がくれた、素敵なプレゼントです。

 

陶芸仲間との出会い世代を超えたゆるやかな繋がり

一人で黙々と土と向き合う。それが陶芸の魅力だと思っていたんですが、実はもう一つ、予想外の楽しさがありました。それが、教室で出会う「陶芸仲間」との交流です。

 

私の通っている工房には、20代の学生さんから、子育て中の主婦の方、リタイアされた70代の紳士まで、本当に様々な人がいます。普段の生活では絶対に交わることのないような人たちが、「陶芸」という共通の趣味があるだけで、ごく自然に言葉を交わすんです。

 

「わあ、その形、面白いですね!どうやって作ったんですか?」「この釉薬、焼き上がるとこんな色になるんですねえ」「先生、ここがうまくいかないんですけど…」なんて会話が、工房のあちこちで生まれる。お互いの作品を褒め合ったり、失敗談で笑い合ったり。年齢も職業も関係ない、このゆるやかで心地よい繋がりが、すごく新鮮で楽しいんです。一人で集中する時間も好きだけど、たまに誰かと好きなことについて語り合う時間も、同じくらい大切なんだなあって。陶芸は、私の世界を少しだけ広げてくれました。

まとめ 陶芸はあなたの五感を解放する最高の遊びです

 

ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。私が伝えたかったこと、それはもうシンプルに「陶芸はめちゃくちゃ気持ちいいよ!」という、ただ一点です。

 

ひんやりと湿った土の感触。ウィーンと回るろくろの音。無心になって土と対話する、濃密な時間。そして、自分の手から世界に一つだけの形が生まれる、魔法のような喜び。これら全てが、普段の生活で凝り固まった私たちの心と体を、優しくほぐしてくれます。スマホの画面ばかり見つめて疲れた目や、情報過多でパンクしそうな頭を、一度リセットしてくれるんです。

 

完璧なものを作る必要なんて全くありません。歪んでいても、不格好でも、それがあなたの「味」になります。むしろ、その不完全さこそが愛おしいんだと、土が教えてくれるはずです。そして、そうして生まれた世界に一つだけの器で食べるご飯は、格別に美味しい。これは私が保証します。

 

難しく考えないでください。まずは、汚れてもいい服を着て、近所の体験教室のドアを叩いてみてください。土に触れた瞬間、きっとわかるはずです。「ああ、これか…」と。あなたの五感が解放されて、心が「気持ちいい!」と叫びだす、その瞬間をぜひ味わってみてほしい。陶芸は、大人に許された、最高にクリエイティブで、最高に気持ちのいい「泥遊び」なんですから。